VISION


LIFULLを語る

株式会社LIFULL
代表取締役社長

井上高志

POOL inc. CEO
クリエイティブディレクター

小西利行

本気になれるビジョンをもっている会社は、強い。

2017年4月、私たちは「LIFULL」として新たなスタートを切りました。これからは、何を信じて、どこに向かっていくのか。その地図となるものが、LIFULLブランドとしての考え方をまとめた「マスターブランド戦略」です。ここでは、新生LIFULLのブランディングを担当したPOOL inc.のクリエイティブディレクターである小西利行さんを交え、代表取締役社長の井上高志が、LIFULLブランドに込めたさまざまな想いを語ります。

Introduction

小西 利行さん

POOL inc.ファウンダー。クリエイティブ・ディレクション、コピーライティング、WEB&インタラクティブコミュニケーション開発、また、都市開発や施設開発も手がける。主な受賞歴は、CLIO 、ニューヨークADC、ONE SHOW、TCC賞、ACC賞など多数。TCC審査員、宣伝会議賞審査員、ENGINE 01 文化戦略会議メンバー。POOL INC. http://pool-inc.net


ブランドの価値を一極集中させるために、社名の変更を決断

井上

小西さんとの話を始める前に、どうして社名を変えるのか?ということに触れておきましょう。「LIFULL」は、旧ネクストのとくに海外事業用につくったブランドでした。その後、HOME’S以外の新規事業にもLIFULLを社名に使うようになり、将来的にはすべての事業をLIFULLブランドに統合しようと考えていました。ところが、ここ数年で当初の予想を超えたペースでLIFULLブランドの子会社が増えていったのです。今後の会社の成長を考えると、このタイミングでブランド名を「LIFULL」に統合し、ブランド価値を一極集中させたほうがいいと考え、社名を変更する決断をしました。これが、“100社100カ国展開”をすべてLIFULLブランドで束ねるというマスターブランド戦略に発展し、このブランディングを本気になって一緒に考えてくれるパートナーが必要だと感じていた時に、縁あってPOOLの小西さんと出会ったといわけです。

“LIFE”を“FULL”にするから“LIFULL”。このわかりやすさは、最強の価値

小西

このお話をいただいて最初に思ったのは、LIFULLって名前、すごくいいなということです。“人生”とか、“満たす”とか、素敵な言葉が入っていて、意味していることもすぐにわかる。そこからそのまま、“あらゆるLIFEを、FULLに。”というコーポレートメッセージができたという感じです。このメッセージはLIFULLの中にある行動基準そのものを表現しています。とにかく、すべての想いが社名と直結している。だから、とてつもなく強いのです。

井上

最近、社名が変ったという話をする機会が多いのですが、「LIFULL」です、と言うと、最初は「?」という反応なんです。でも、LIFEをFULLにするという造語なんです、と言うと、ああ、なるほどね、と納得してくれる。理解がすごく早いんです。

小西

コミュニケーションで最も素晴らしいものは“スピード”です。だから「LIFULL」という社名は本当に素敵だと思います。コーポレートメッセージで言えば、“すべての人生”ではなく“あらゆる人生”としたのもよかったと思います。この文章に関しては、かなり議論を重ねました。“すべて”だと十把一絡げというようなざっくりした言い方になるけど、“あらゆる”だと一人ひとりに丁寧に向き合いますという意思が入ってくる。さまざまな人のLIFEをFULLにできるか、という自問自答を重ねていくという意味も感じられて、結果的にいい言葉になったと思いますね。

井上

“LIFE”にも、2つの意味を込めたんですよね。長い年月の中での“人生”という意味と、日々の“暮らし”や“生活”という意味。その両方を含めたうえで、“あらゆる”と言っているわけです。人生や暮らしは人それぞれに異なるものですが、そこに対して一つひとつ丁寧に取り組んでいく。そんな姿勢で進んでいきたいと思っています。

あえて“世界一”という言葉を使って、自分たちを奮い立たせる。

小西

このようにコーポレートメッセージによって、“私たちはあらゆるLIFEを対象に、それをFULLにする活動を行っていきます”と宣言したわけですが、これを実現するためには3つの約束が必要だと考えました。そうして用意したのが、「スローガン」、「LIFULL Act」、そして「ステートメント」です。
まずは「スローガン」ですが、これは、ステークホルダーや社員の皆さんに向けて“私たちはこういう会社になる”という意思表示になります。社内の人たちの意思を統一するためのインナー向けのメッセージです。
ここでは、“世界一のライフデータベース&ソリューションカンパニー”という言葉を掲げ、“ライフデータベースを取り扱い、それをソリューションに活用する世界一の会社になります”という明確な宣言をしました。この時点でLIFULLは、本気で世界一を目指すことになったわけです。

井上

こういう理念で、“世界一”という言葉を使ったのは初めてなんです。言葉にした以上、本腰を入れて取り組まなければなりません。ただ、世界一というビジョンはずっと抱いていたことなので、言葉のパワーを借りて、前向きにいくぞ、と覚悟を決めた感じですね。気合いを入れて本気でがんばっていこうと、ワクワクしています。

“それって本当にAmazing?”問い続けることで、クオリティは磨かれる。

  • LIFE-centered
  • For All
  • Happy
  • Simple
  • Amazing
  • それは、LIFEを中心に考えているか?
  • それは、あらゆる人のためになるか?
  • それは、安心と喜びをもたらすか?
  • それは、本質を追い求めているか?
  • それは、スゲーと思えるか?

上記はLIFULL Actと呼ばれる指標。
LIFULLグループ社員はこの5項目を追求し、揺るぎない価値提供を実現していく。

小西

「LIFULL Act」は、しいて言えば製品開発ポリシーに近いものです。“私たちはこんなサービスや価値をつくっていきます”という指標のようなものですね。内容はこの5つ(左図)。指標としては、これでほぼ網羅できると思っています。でも、これをクリアするのはかなり難しい。例えば、5つのうち4つまでうまくいっても、1つがダメならすべてダメということになってしまうのです。ハードルは高いのですが、日頃からこれを意識して活動していくと、技術やサービスのクオリティは間違いなく上がっていきます。

井上

普通に会議をやっていると、過去の延長線上できれいにやりましょう、という結論になりがちじゃないですか。そんな時、“それって本当にAmazingかな?”って誰かが言い出すと、きっとみんなハッとするはずです。そういう効果って大きいと思います。

小西

そうですよね。Happyにしても、“このアイデアは本当に誰も悲しませないだろうか?”とか、もうひとつ先まで考えるきっかけにしてもらえたらいいと思います。

井上

つまり、考え続けるということですよね。LIFULLのガイドラインに“真理を探究し続ける”というものがあります。真理なんてそう簡単に理解できるものではありませんが、“本当にこれでいいのか?”“もっといいやり方はないのか?”と自問自答し、考えを究め続けることが、真理の探究につながると思っています。つまりLIFULL Actは、これと同じことなんですよね。“本当にFor Allになっているか?”“本当にSimpleか?” それを考え続けることが大事なんです。

“LIFULL”という言葉は未来そのもの。想いを実現できれば、世界はもっとよくなる。

小西

「ステートメント」は、“私たちは世の中に対して、こういう約束をします”と社外に向けて広く発信するものになります。
立ち上げ時は、ステートメントの最後に“いま、LIFULLという未来が始まります。”という文章をつけるようにしています。僕は、「LIFULL」はそのまま未来をあらわしていると思うんです。だから、“LIFULLという未来”という言葉がすごく好きで。そういう未来を始めていきましょう、ということを幅広い年齢の人たちに理解してもらえるように、わかりやすい文章で情熱を込めて書きました。

井上

過去のいろんなデータを見ると、LIFULLのターゲットユーザーになる人たちというのは、自分のために新しい情報を探し求めていたり、何というか、“一歩前に踏み出そう”としている人たちなんですね。そういう前向きな気持ちを上手にサポートしていくのが、僕らLIFULLなんだと。だから、LIFEをFULLにしたいとか、もっとAmazingなことをしたいとか、そういうポジティブな人たちを応援していきましょう、というようなことが表現されているわけです。
この文章を読んでいると、世界一のライフデータベースのソリューションを受けて感動をともにできる仲間とつながるとか、毎日を豊かにするアイデアで満たされていくとか、そういう情景が浮かんできます。そうだ、それを僕らはつくり続けるんだ、という想いがあらためて沸き上がってくるというか、襟を正されるというか、すごくやらなければという気持ちにさせてくれますよね。

世界中のあらゆる「LIFE」を、
安心と喜びで「FULL」にしたい。
すべての人生はかけがえのないもの。
そして、すべての人生はもっと輝くことができると思う。
だから私たちは生み出したい。
探し求めている情報との出会いを。
感動を共にできる仲間とのつながりを。
毎日を豊かにするアイデアを。
私たちは、世界中のライフデータを使い、
毎日を豊かに変える、出逢いと発見の場を提供し続けていく。
年齢も、性別も、言語も、国も超え、世界中のすべての人に
安心と喜びのライフソリューションが広がっていくように。

「あらゆるLIFEを、FULLに。」 
いま、LIFULLという未来が、始まります。

上記はLIFULLのステートメント。小西さんのライティング。
井上をはじめLIFULLスタッフ達と疎通を重ね、書き下ろされた。

究極の“信頼の証”を創造するという挑戦。その主人公は、社員一人ひとり。

小西

今回のブランディングで、僕が何を伝えたかったのかというと、やっぱり“ビジョンをもっている会社は強い”ってことなんです。それをずっと守ったり、信じている会社というのは本当に強くなりますから。
コーポレートメッセージやステートメントといった理念は、決して行動を縛るものではなく、こうしたほうがLIFULLらしいのでは?と試行錯誤する際の判断基準であり、やっぱりこれだよね、と立ち戻ることができる場所にしてもらえたらと思います。
僕らは、LIFULLに携わる皆さんが誇りをもてるようなブランディングをこれからも続けていきます。皆さんも、LIFEをFULLにするような活動を続けていただければ、世の中はもっとよくなっていくと思います。

井上

このような考え方から生まれた「LIFULL」ブランドは、いわば“品質の証”となるものです。LIFULLの名がついたサービスを提供することは、“あらゆるLIFEをFULLにします”という意味のサインを入れたということなんですね。
だからこれからが大変です。本当に一致団結して、今回生まれた理念に恥じないような高いレベルでLIFULLをつくっていかなくてはいけない。だからこそ、それが実現した時には世界中の人たちが素晴らしい!と言ってくれるはずです。それは、ものすごく大きなチャレンジですが、そこに挑戦することに自分自身とてもワクワクしています。
一人ひとりが、私が主人公になってLIFEをFULLにするんだという自覚をもち、社員一丸となってLIFULLという会社をしっかりつくり上げていこうと思います。

小西さんを招き、社員と共にLIFULLの志について考えるトークセッションをグループ全社規模で開催。社員同士でディスカッションし、全体で発表するパートもあった。

井上×小西 クロストーク「LIFULLを語る」
2017年某日 旧ネクスト社オフィスにて