episode11.2015年08月27日

妥協のない編集で読者の支持をつかむ
「HOME'S PRESS」2周年の軌跡


メンバー紹介

  • P編集長

    P編集長HOME'S PRESS 編集長

    2010年7月中途入社。大学を卒業後、大手情報会社にてディレクション・運用・マネジメントを経験。ネクストと伊藤忠の合弁会社であるウィルニックに入社後、会社統合によってネクスト社員に。新規事業部門等を経て2013年1月より「HOME'S PRESS」の起ち上げに従事。趣味は美術館巡りと下町散策。ワイン好きで社内有志のワイン会の常連。HOME'S総研のおじさまたちと話題が似てしまうことが最近の悩み。

  • UCHI

    UCHIHOME'S PRESS エディター

    2013年6月中途入社。出版・広告業界で、Webサイトや紙媒体のマーケティング、運用、制作を経験。ネクストにはHOME'S PRESSの起ち上げメンバーとして入社し、2年間この道ひと筋。20代前半はドラマの脚本家を目指して脚本家に弟子入り修行したことも。その経験から、自分が企画、執筆したものが、どのように読み手に接触して、どう心を動かすのかに興味を持ち、コンテンツマーケティングの道を進む。趣味は映画観賞。意外と奥深いゾンビ映画が好き。

  • あらためて「HOME'S PRESS」のコンセプトを聞かせてください

    P編集長

    P編集長

    根底にあるのは、「HOME'S」のビジョンや井上さん(※社長のこと。ネクスト社員はみんな社長をこう呼びます。)の創業からの想いです。住まいは人生最大の買い物なのに、限られた情報、偏った情報しかない中で住み替えを判断しなければいけない、そんな状態はおかしい、不動産業界の情報格差を解消しようという想い。
    会社設立から15年経ち、事業も拡大して、物件数や検索機能、個別の物件の情報量という点では、ユーザーに価値を届けられるところまできていると思います。でも、まだまだ、本当の意味で自分らしい住み替えをサポートするような情報は足りないと思っていました。詳しいことは「HOME'S PRESS」の記事をみていただきたいのですが、不動産業界には古くからの課題、業界の構造的な問題も多く、業界の中でもそれを指摘する真摯な方々もたくさんいらっしゃいます。ただ、そうした想いがなかなか一般の方には伝わりにくいと思っています。そこで、私たちが「オピニオン」と呼んでいる、業界の構造に詳しい方、業界をより良い方向に変えていこうとしている方々にご協力いただいて、住まいの情報を発信するメディアを作ろうということになりました。
    メディアコンセプトは「住まいの『本当』と『今』を伝える」。伝えて、知ってもらって終わりではなく、そこから自分らしい住まいを考えるきっかけをつくることを目指したメディアです。

    UCHI

    UCHI

    ほとんどのメディアは、何らかのカラーがあると思うんです。わかりやすい表現でいえば「右」とか「左」とかですね。「HOME'S PRESS」はあくまで中立公正でカラーがないのがある意味で特徴だと思います。たとえば住宅に関する新しい制度が始まるとして、そこにはメリットもデメリットもあれば、反対派も賛成派もいる。「HOME'S PRESS」では一方の意見や情報に偏らず、多角的にそれぞれ取材して読者に情報を届けることを心がけています。そうすることで、読者のみなさんの住まいリテラシー向上につながればと思っています。
    そのためにこだわっているのは、記事に妥協しないことです。その時の状況やタイミングを見定めて、必要だと思うことなら例え難しいテーマであっても採りあげて、できるだけわかりやすい形で伝えられるように工夫します。また、ライターさんにおまかせではなく、実際に私たちも同行して一緒に取材したり、編集部で取材して月に何本かは記事を書いたりします。かなりの手間はかかりますが、ここは手を抜きません。

    P編集長

    P編集長

    一般的にWebサイトに載っている記事は、どこかに書いてあったことをまとめたようなものが多いですよね。でも、「HOME'S PRESS」ではそれはやらないと決めました。住まいは、動くお金も大きいし、人生のかなりの部分を左右する、すごくセンシティブかつ影響力の大きなものだと思っています。だから、情報発信にあたって、取材や調査の手間は惜しまず、誇張したり誤解を招くような表現をせず、ひとつひとつの題材に丁寧に向き合って、ユーザーへ伝えていく姿勢を大事にしています。また、常に業界の動きをキャッチアップするために、自分たちでも取材をして、記事を書いています。

  • 起ち上げはかなり大変だったとか?

    P編集長

    P編集長

    住まいや不動産に関わる事実情報を発信して、多くの人に届けたい……という意思は明確だったんですが、どんなサイトにするかのイメージは曖昧だったので、コンセプトを固めて、媒体の骨格を設計する段階にはかなりの時間を割きました。特にサイト設計の部分は私も経験がなく、あまり詳しいわけではなかったので、正直どうしようという感じでしたね。
    コンセプトやプランが承認されて実際にサイトを創りはじめる段階で、もう1人Web企画の専任スタッフを採用しようということになり、そこで入社してきたのがUCHIさんです。実は社員募集をかけていちばん先に応募してくれたのが彼女だったのですが、記事作成や編集・媒体運営を経験していて、プロモーションの実績もあり、サイト設計のこともわかって、PDCAをまわして成果を出してきた人物なんて、正直いるのだろうかと……。経歴を見たときは、ぴったりの人材!神様ありがとう!と思いましたね(笑)。採用が6月で9月にはサイトオープンでしたから、ひと月遅れていたら、スケジュールどおりの起ち上げは到底無理でした。UCHIさんが入社してからは毎日二人で会議をして、サイトの骨組みを決めて、どう肉付けするかを考え、二人三脚で進めました。

    UCHI

    UCHI

    最初は、Webサイトの設計とメディアの運用を固めました。記事ページをどんなデザインにしてどこにどう画像を入れるかといったサイト仕様から、「ですます」にするか「である」にするかなど小さなことも含めたメディアのトンマナの在り方まで、決めることはたくさんありました。約一ヶ月くらいかけてサイト設計をまとめて、そして仕様書に落とし込みました。
    同時に、オピニオンやライターに加わってほしい人を自分達の人脈や新規で探したりして、そういった方々と連携して記事を更新する体制もつくっていきました。オープン時にはいくつかの記事がないといけないので、自分たちで取材に行ったり、まだ関係性が構築できていないライターさんと試行錯誤でやりとりしたり、読者を集めるプロモーションの設計をしたり……。もちろんサイト制作も進めていました。サイトオープン直前のひと月くらいは、あらゆることを同時並行で進めて、とにかく慌ただしかったですね。慣れる間もなく全速力で走っていた感じです(笑)。
    私自身中途入社したてだったので、社内ルールが分からず右往左往することもありましたが、デザイナーやエンジニアがサポートしてくれたり、色々な人たちの協力があって、予定通り2013年9月にサイトをオープンすることができました。

    P編集長

    P編集長

    趣旨に賛同して参加してくれたオピニオンやライターはもちろん、デザインやコーディング、開発に携わってくれた社内のスタッフなど、周囲の方々の協力には本当に感謝しています。売り上げや利益に直結するメディアではないですし、オピニオンリーダーには執筆料すらお出ししていません。あるのは想いだけでしたが、住み替えユーザーを応援したい、価値ある情報を届けたいという想いを様々な方がサポートしてくれました。
    起ち上げ時にサポートしてくれた社内のメンバーは、今でも「最近、PRESSどうですか?」などと気にかけてくれているし、それに対して「すごく伸びているよ。読者の反応も良いよ」と答えられるのもまたうれしいですね。

  • 2年間やってきてどんな手ごたえを感じていますか?

    P編集長

    P編集長

    象徴的にうれしかったことは2つあります。まずひとつは、不動産業界での反応が非常に良かったこと。その道のプロが読みたいと思うような情報を発信するサイトでなければ、ユーザーにも本当に大切なことは届かないと思っていましたから。最近では取材に行くと「HOME'Sさんは、良い媒体をつくったね」と言われることも多く、とても誇らしいです。
    また、もうひとつうれしかったのは、当初目標の倍以上のペースでユーザー数やページビューが伸びていったことです。手間をかけて取材して、しっかりしたオリジナルの情報を発信しているという自負はありました。とはいえ、それが本当に支持されるかはやってみないとわからないし、プロモーション予算もわずかしかとっていなかったので、やっぱり不安でした。それが実際、予想以上のスピードで伸びてくれたのは本当にうれしい驚きでした。特に、2013年11月にスマートフォンサイトをオープンしてからはぐんと伸びて、12月には当初3ヶ月の区切りとして設定した目標を大幅達成。翌2014年の3月には、1年後に目標としていたユーザー数を、その半分の半年間でクリアすることができています。SNSを通じた拡散やコメントなども励みになりました。

    UCHI

    UCHI

    当然ですが、起ち上げたばかりの頃はアクセスも本当に数えるほどで、ものすごく不安でした。Webサイトの集客で重要なSEO(※さまざまな単語で検索エンジンからの誘導を最適化する技術)のこともよくわからない状態だし、ソーシャルメディアでどう伸ばしていくかも手さぐりで、ないないづくしの状態。成功しているニュースサイトはありますが、住宅・不動産という限定された分野での成功事例はほとんどなかったので、本当にこれでいけるのかな……と正直思いましたね。
    でも、徐々にアクセスが伸び、Yahoo!ニュースで記事が採りあげられることもでてきて、2013年の年末ぐらいからは少しずつですが手ごたえを感じるようになりました。これは狙えるなという記事の企画を立ててライターさんに執筆してもらい、狙い通りアクセス数が伸びるとやっぱりとてもうれしかったです。今ではこうした流入経路をしっかり構築できたので、1記事のいいね!数が150くらいは普通になりました。毎日訪問してくれる読者もいますし、記事に対して感想から賛同、反対意見まで様々なコメントをいただいています。いろいろと住まいについて考えていただいているようで、こちらもとても励みになります
    また、メディアが成長していくにつれて、取材が格段にやりやすくなりました。最初の頃は、「取材させてください」とお願いしても、担当者のお話を伺うのがやっと。でも、今ではかなりの大手企業でも部長や取締役の方が対応してくれるようになりました。記者発表会などにも招待されるようになって、新聞社や名の知れたビジネス誌、業界誌などと一緒に取材させていただいています。そういう方たちと同じように扱ってもらえるなんて当初はまったく考えられませんでしたが、周囲からきちんと認知された一メディアとして一応の立場は確立できたかなと思っています。

    P編集長

    P編集長

    取材を積極的に受けてもらえるようになったことは、本当にありがたいです。実際、最初はどんな媒体なのかわからず、先方も様子をうかがうような感じだったんです。それが、ポリシーを守って少しずつメディアを育ててきたことで、企業や団体はもちろん、行政や大学、研究室の方々などからも声をかけていただくことが増えてきました。みなさん「HOME'S PRESS」を読んでくださって、このメディアならと信頼して取材に応じてくださっています。
    集客のためだけに、話題のキーワードを散りばめた内容の薄い記事や、あおり記事のようなものばかりを掲載するサイト、広告や自社のバナーをやみくもに貼っているようなサイトだったら、こうした支持は得られなかったと思います。中立公正に、丁寧に、といういちばん最初の想いに忠実に、信じてやってきてよかったです。

  • 次なるチャレンジは?

    UCHI

    UCHI

    今月(2015年8月)サイトをリニューアルして、特集ページや編集部からのお知らせページなど、ずっと欲しいと思っていたいくつかの機能を加えました。サイトオープンから2年越しになってしまいましたが、これでようやく足回りの整備ができたかなと思っています。
    準備段階は終わったので、ここからはさらにアクセス数を伸ばしつつ、数だけではなくて読者の方とのリレーションを強化できるような企画を考えていきたいですね。提携とかプロモーションとか、住まいのことをいろんなレベルで知ってもらう、考えてもらうキャンペーンなどもやりたいです。
    個人的には、「HOME'S PRESS」での経験を活かした新サービスのプランも進めようとしているので、しばらくは二足のわらじでがんばります。

    P編集長

    P編集長

    2年間続けてきて、おかげさまでメディアとしては、それなりの支持を得ることができました。揺籃期も過ぎて、これからは成熟期。ただメディアを運営するだけでなく、ここで培ったものをもっと還元していかなければと思っています。社内のメンバーに、オリジナルコンテンツの力や、取材で蓄えた情報や人脈、メディア運営でわかったノウハウなどをもっとシェアしたいし、住み替えユーザー向けのオープンセミナーや、オピニオンの方々とのリレーションを活かした書籍の発行なども検討していきたいです。
    オピニオンやライターのみなさんにも、「HOME'S PRESS」を通じて、日本の住み替えが豊かになった、不動産業界を良い方向に変える力になった、という実感をもってもらえるような価値提供をどんどんしていきたいです。
    未来に向けて、「住まいの『本当』と『今』を伝える」という基本コンセプトはぶらさず、中立・公正な立場から問題提起し、みんなでより良い住み替えを考えていけるように、さらに進化を続けますので、これからも「HOME'S PRESS」をよろしくお願いします!