episode13.2016年03月14日

創業の想いに志を重ね、人々の住み替えを変革する。
不動産参考価格がひと目でわかる「HOME’Sプライスマップ」


メンバー紹介

  • はなさん

    はなさん「HOME'Sプライスマップ」プロジェクトマネージャー

    2009年3月中途入社。前職のソフトウェア開発会社に新卒で入社後10年間、Webアプリケーション開発業務に従事。ネクスト入社後は、『HOME'S』にてサイトやアプリの開発、検索エンジンのリプレース等を手掛ける。2012年には、『HOME'S』のフルリニューアルを統括し、大幅なサイトパワー向上を実現させる。技術力はもちろん、メンバーからも絶大な信頼を誇り、年に一度優れたマネージャーに贈られる「ベストマネージャー賞」を2年連続受賞する等、その活躍ぶりは社内でも万人の知るところ。全社トップレベルのワーカホリックにも関わらず、入社以来、病欠はたったの2回という謎の健康体の持ち主でもある。馬をこよなく愛し、最近は一口馬主で5頭の馬に情熱を注ぐ。

  • HOME'Sプライスマップが誕生した背景は?

    はなさん

    はなさん

    背景は、ネクストの創業にまでさかのぼります。
    新卒で入社したマンションデベロッパーで営業マンとして働き始めた井上さん(社長)は、不動産業界に強い疑問と問題意識を抱きました。不動産を販売する事業者と、購入する消費者との間にある大きな情報格差を目の当たりにしたからです。
    家は多くの人にとって人生で最も大きな買い物にも関わらず、まだインターネットもそれほど普及していなかったその当時は、いざ「家を買おう!」と思っても消費者が自力で入手できる情報は限られ、事業者側が圧倒的に有利な立場にありました。
    そのような現状に「この業界を変えたい」という強い信念を抱いた井上さんは、「不動産に関する情報を誰もがいつでもどこでも簡単に得られる透明化されたマーケット」を目指し、1995年に起業。たったひとり手さぐりで不動産情報検索サイトを立ち上げました。それが現在の『HOME'S』です。

    それから10年。
    『HOME'S』の掲載物件数は700万件(2016年2月時点)を超えて業界No.1(※)となり、誰もがいつでも簡単に多くの物件情報を無料で見ることができるようになりました。 そして一昨年、その膨大な物件データベースを活かした次のサービスのテーマとして、「中古物件価格の透明化」を掲げたのです。

    そんな中、僕は社内の次世代経営者向け選抜研修プログラムの一環で、現在国の注力課題にもなっている「中古流通の活性化」を軸にビジネスモデルや事業計画を考えはじめました。
    これまで市場の多くを新築物件が占めてきた日本では、中古物件を購入するという文化がまだまだ浸透しておらず、不透明なことだらけ……。
    考えを深めるにつれて、自身が思い描いたサービスをつくるためには、まず中古物件の価格の透明化が必須であることに気がついたのです。会社の目指す方向と、自分が創り上げたいサービスがぴったりと合致した瞬間でした。
    そこで「このプロジェクトは自分にやらせてほしい」と役員に直談判。この数年間は、部長等の管理職に就いていたので、エンジニア出身としての血が騒いだのかもしれませんね(笑)。もっと事業に貢献して自分の存在価値を見出したいという思いと、ゼロから新しいプロダクトを生み出してみたいという気持ちが合わさり、「次の『HOME'S』の柱をつくってやる」という気概でプロジェクトをスタートさせました。
    ※産経メディックス調査(2016.1.23発表)

  • 開発はどんなふうに進めた?

    はなさん

    はなさん

    プロジェクト全体としては約1年、開発期間は半年でした。
    最初の3か月は不動産情報学で権威のあるシンガポール大学の清水先生の研究結果を参考にしながら、価格を算出するロジックを外部の会社と共同開発していきました。

    1人プロジェクトだったので、もう「なんでも屋」(笑)。
    企画、サイト開発、パートナー3社のディレクションはもちろん、それこそ予算を申請する事務作業まで1人何役もやりました。
    あまり大きな声では言えませんが、普段から全社トップレベルの残業時間に拍車がかかっていましたね(笑)。

    また、サービスの仕様固めにも苦労しました。
    というのも、当初僕が設計していたのは、地図上にプロットされているマンションの中から調べたい物件を選び、所在階や専有面積を入力すると初めて参考価格が表示される、というもの。
    さっそくそのイメージを井上さんに伝えに行くと、
    「いや、こうじゃない!ユーザーがわざわざ入力しなくても参考価格が直観的に分かるように、もっと思い切ったものをつくってほしい」と突き返されたんです(苦笑)。

    実は、アメリカではもう何年も前から大手不動産情報サイトの「Zillow」が、地図の航空写真上にマンションも一戸建ても参考価格をすべて表示するサービスを提供していて、初めて見た時にはそのオープンさに衝撃を受けました。
    自分の家の価格はもちろん、隣の家、知り合いの家の価格がまる見え状態、まさにこれはネクストが目指すべきものだと、頭の中にイメージが焼き付いていました。
    ただ、それと同時に、日本にこれがマッチするのかは大きな不安がありました。

    全不動産取引のうち7~8割が中古物件と言われる欧米に対して日本は真逆。7割が新築物件です。
    この背景にあるのは、家に対する価値観の違いです。ライフスタイルの変化に合わせて「家は住み替え続けるもの」と考える欧米と、「家は一生に一回の買い物、一生涯の資産」と考える日本。個人の所有意識が非常に強い日本で、こんなサービスが受け入れられるのか?そこまでオープンにしていいのか?と躊躇しました。

    でも井上さんにそのような迷いは一切無かった。トップがここまで強い意志を持っているのなら、思いっきりオープンなサービスを創ろうと背中を押され、仕様を大きく方向転換しました。

  • サービスのこだわりを教えて

    はなさん

    はなさん

    絶対にゆずれなかったのは、会員登録は一切設けずにすべての情報をフルオープンにしたことです。
    実は、「HOME'Sプライスマップ」をリリースした前後に、他社からも同じようなサービスが複数出てきたんですが、そのほとんどが途中までは会員登録なしで閲覧できても、最後まで調べるには氏名やメールアドレス等の登録が必要でした。そこまでオープンにするのは躊躇もあったでしょうし、サービスを利用するユーザーの情報が取得できますからね。
    しかし、ネクストが創業時から掲げている使命を実現するのなら、そういった登録は一切不要にして、できるだけオープンに設計するべきだと考えました。
    家を購入したり、売却したりすることに慣れている人なんて、ほとんどいないじゃないですか?
    まだ検討し始めたばかりの方や、興味はあるけれど具体的には考えていない潜在層の方でも「まずはHOME'Sプライスマップを見てみようかな」と気軽に見てもらえるサービスでありたいと思ったんです。

    サイトリリース後には、実際にサービスを使った社内のメンバーや外部の方から「あのサイトすごいですね!」という声をかけてもらったり、テレビや新聞の取材、ソーシャルメディアでも多くの反響がありました。素直にうれしいですね。

  • 次なるチャレンジは?

    はなさん

    はなさん

    足元ではまず参考価格の精度向上やエリアの拡大に注力していますが、中長期的には「HOME'Sプライスマップ」を通じて大きく2つの価値を提供していきたいと考えています。

    まず1つ目に、住み替えに対する意識の変革です。
    さきほどもお話した通り、日本では「家の購入=終の棲家」と考え、今住んでいる家を住み替えるなんて思いもしない人が多い。理由は単純で、これまでにそう考えるきっかけが無かったからです。
    そこで「HOME'Sプライスマップ」がそのきっかけになりたいと思っています。 実は、現在の売買参考価格に加えて、この春には「賃貸に出した際の参考賃料」も表示できるよう、準備を進めています。
    すると、サイトを見た方が、「あれ?意外とうちの家って高く売却できるんだ」等と気が付き、その後「あ!でも賃貸物件として貸し出しすのもアリなんだな」と、誰でも簡単に比較までできるようになります。『HOME'S』の豊富な物件データと、今回独自開発した査定エンジンという強みを活かして、不動産オーナーに有益な情報を届けていきたいですね。

    そして2つ目に、物件の価値を適切に伝え、中古物件の活性化につなげることです。
    物件価格は一般的に、ロケーション、築年数、専有面積など物件のスペックで決まっていきます。でも実際は、その物件での暮らしはスペックだけで判断できるものじゃない。「その家で暮らしている人たちがどう感じているか?」という価値は、本当は誰もが知りたいことなのにそれが価格に反映されることはありません。
    そこで、物件の魅力を1番よく知るオーナー自らが付加価値をアピールできるような仕組みをつくりたい。そうすればその物件がより正当に評価されるようになると思うんです。

    このように「HOME'Sプライスマップ」を土台に様々なサービスを展開していくことで、新たな気づきやきっかけを与えられるサービスに育てていければと思います。
    これまで、買った家を住み替えるなんて考えてもみなかった人が新たな選択肢を考えはじめたり、購入も売却も具体的ではないけど「まずはHOME'Sプライスマップを見てみよう」と情報収集してくれたり。人々が一歩を踏み出すきっかけや決断につながる情報を提供し続ける存在になっていきたいですね。