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LIFULL HOME'Sマーケットレポート2024年4~6月まとめ版・2024年6月版

2024年07月22日

上昇が続いた掲載賃料は踊り場に
中古マンション価格は都心と郊外で二極化が進む

 

事業を通して社会課題解決に取り組む、株式会社LIFULL(ライフル)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:伊東祐司、東証プライム:2120、以下「LIFULL」)が運営する“住まいの本当と今”を伝える情報サイト「LIFULL HOME'S PRESS(ライフルホームズプレス)」は、2024年7月22日(月)に2024年4~6月まとめ版・2024年6月版の「LIFULL HOME'Sマーケットレポート」を公開しました。

LIFULL HOME'Sマーケットレポートでは、LIFULL HOME'Sで掲載された物件データおよび、ユーザーがLIFULL HOME'Sを介して不動産会社に問合せた物件(以下、反響物件)データをマーケットごとに公開しています。

 

20244~6月まとめ版】

<トピックス>

【賃貸】首都圏シングル向き物件の賃料上昇は踊り場。東京都心の物件では需給がタイトに
【賃貸】ファミリー向き賃貸の賃料は、三大都市圏政令市で神戸市が唯一上昇せず。人口流出が影響?
【中古マンション】都心物件の需要が増加した結果、都心と郊外で価格の二極化が進む
【中古一戸建て】首都圏では掲載価格は横ばいも、需要を表す反響価格は地域差が明確に

トピックス【賃貸】首都圏シングル向き物件の賃料上昇は踊り場。東京23区では需給がタイトに

賃貸物件の賃料相場は、例年2~4月にかけて上昇し、5月以降は横ばい~やや下落となる傾向にありますが、2024年4~6月の首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)シングル向き賃貸物件においても、同様の傾向となっています。しかし、6月の首都圏の掲載賃料は7万9,058円で前年同月比104.3%(3,227円アップ)と、前年と比べるとそのベースラインは上昇しています。この上昇を牽引しているのが東京23区の物件で、6月の掲載賃料10万3,268円は前年比で109.0%(8,498円アップ)となっています。なお、これらのエリアでは1~3月の引越しシーズン以降、前年と比べて掲載物件が減少している一方で消費者の居住ニーズは上昇(※)するなど需給がタイトになっており、賃料相場の上昇を後押ししている可能性があります。

※6月の首都圏の掲載物件に占める東京23区シングル向き物件の割合は31.7%と前年から5.1ポイント下落している一方、首都圏の問合せ(反響)に占める東京23区シングル向き物件の割合は36.6%で前年から2.6ポイント上昇している。

                                                                                                                           

トピックス【賃貸】ファミリー向き物件の賃料は、三大都市圏政令市で神戸市が唯一上昇せず。人口流出が影響?

上昇傾向が続いていた首都圏ファミリー向き賃貸物件の掲載賃料は、2024年5月・6月と2ヶ月連続で前月から下落しました。2ヶ月連続の下落は2021年10月以来、32ヶ月ぶりとなります。しかし、6月の掲載賃料は東京23区が21万686円で前年同月比112.8%(2万3,932円アップ)、横浜市・川崎市が12万1,658円で同109.7%(1万775円アップ)となるなど、都心を中心にいずれの都県でも前年から賃料水準は大きく上昇しています。

他方、近畿圏(大阪府、兵庫県、京都府)でも4~6月の掲載賃料はいずれの月も前月比100%台となるなど踊り場に差し掛かっています。6月の掲載賃料は大阪市が11万9,540円で前年比114.1%(1万4,804円アップ)、京都市が9万6,227円で同109.0%(7,942円アップ)と首都圏同様に都心部で大きく上昇していますが、神戸市では8万3,899円で同99.1%(770円ダウン)と下落。三大都市圏の政令市では、唯一前年から掲載賃料が上昇していません。神戸市は2023年の転出超過数が政令市で最も多く、人口の流出による賃貸需要の低下が賃料相場の上昇を抑制している可能性があります。

なお、地方4市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)では広島市のみ前年から掲載賃料が下落(96.8%・1,298円ダウン)しましたが、広島市の転出超過数は、政令市では神戸市に次ぐ2位となっています。

賃貸マーケット分析担当:LIFULL HOME'S PRESS 編集部 渋谷 雄大(しぶや たけひろ)

2015年、株式会社LIFULLに新卒入社。LIFULL HOME'Sの営業として、東京・千葉・福岡・広島で賃貸マーケットの既存顧客を担当した後、 2020年よりLIFULL HOME'S PRESS編集部。LIFULL HOME'Sマーケットレポートを担当するほか、LIFULL HOME'Sのデータを活用して不動産の今を読み解く記事を多数執筆。特に、町家、都市交通、ウォーカブル、和の文化に関心。広島県出身。

 

 

 

 

トピックス【中古マンション】都心物件の需要が増加した結果、都心と郊外で価格の二極化が進む

今回は、ファミリー向き中古マンションの掲載価格と、ユーザーが実際に問合せた価格である反響価格の乖離率に注目しました。2024年6月の乖離率は、東京23区が7.7%であるのに対し、神奈川県、埼玉県、千葉県ではそれぞれ24.4%、37.6%、16.8%と大きくなっており、供給価格に対して消費者の予算が追いついていないことがわかります。LIFULL HOME'Sが実施した「出社回帰&物件価格高騰で住宅難民に!?共働き子育て世帯を対象とした『理想の住宅立地』に関する調査」(https://lifull.com/news/33257/)によると、許容できる通勤時間(電車乗車時間)が「1時間未満」と答えた方は全体の58.8%を占めており、これはコロナ禍以降の出社回帰と子育ての両立を求める動きを反映しています。そのため、23区内でもより価格の高い都心エリアの物件で需要が高まっていると考えられます。

中長期的に見ても、東京23区内の掲載価格の上昇に対して反響価格が追随している一方で、その他エリアでは掲載価格が下落傾向にあることから、東京23区は売り手が強気な市場である一方で、その他エリアは売り手が弱気な市場となっていることが推測されます。

このような背景のもと、6月の掲載価格は首都圏全体では3,985万円で前年比95.4%なのに対し、東京23区では6,438万円で前年比105.9%、近畿圏全体では2,649万円で前年比97.8%なのに対し、大阪市では3,612万円で前年比105.3%と、いずれも都心で特に価格上昇が進み、郊外との二極化が進んでいます。

中古マンションマーケット分析担当:LIFULL HOME'S PRESS 編集部 髙島 啓(たかしま あきら)

2019年12月、大手住宅建材メーカー・プロモーション企業を経てLIFULLに入社。営業として東京に本社をもつ大手仲介会社を担当した後、2023年7月よりLIFULL HOME'S PRESS編集部。LIFULL HOME'S PRESS内オピニオンリーダー/時事解説を担当するほか、各種セミナーでのコンテンツマーケティングを担当。2023年に新築マンションを購入し管理組合第一期副理事を務めた。マンションオタク。福島県郡山市出身。

 

 

 

 

トピックス 【中古一戸建て】首都圏の掲載価格は、都心でやや上昇・郊外は下落傾向

2024年6月の首都圏の中古一戸建ての掲載価格は3,564万円で前年比95.4%となるなど、4~6月は前年より掲載価格が下落傾向にある一方、反響平均価格は2,602万円で前年比100.6%と横ばいとなっています。また、東京都でも掲載価格は同95.0%と下落傾向ですが、一方の反響価格は同107.8%と上昇しています。東京都の中でも特に城西エリア(同132.2%)、城南エリア(同123.6%)の伸びが大きく、利便性・資産性の高い都心の中古一戸建てへの需要が高まっていることが見て取れます。資材価格や人件費の高騰による都心の中古マンションの価格上昇が続く中、中古マンション検討層のうち、同じエリア・近い価格帯でより広い床面積の住まいを求めやすい中古一戸建てを、並行して検討するケースが増えていることが推察されます。

令和4年度の住宅市場調査(対象:三大都市圏、その他圏域)によれば、中古一戸建て購入者のうち、比較検討として中古マンションを検討した人は、令和3年度は22.4%、令和4年度は20.3%と減少したのに対し、中古マンション購入者のうち、比較検討として中古一戸建てを検討した人は、令和3年度は19.7%、令和4年度は25.2%と5.5%増加しており、“中古マンション・一戸建ての同時検討派”の割合が増えていることが見て取れます。

掲載価格と反響価格の差異を表す乖離率は、東京都の城西エリア(15.5%)や城南エリア(11.3%)がそれほど大きな乖離はなく、このまま需要が高まる傾向が続けば掲載価格に転嫁される可能性があります。一方、城東エリア(65.0%)や東京市部(47.7%)、神奈川県(58.2%)、埼玉県(65.8%)、千葉県(67.9%)は乖離率が大きい傾向にあり、中古一戸建て市場も中古マンション市場のように、より高い資産性や住環境、交通利便性を求め、需要の二極化が顕著になっていく可能性があります。

※「都心6区」千代田区・中央区・港区・新宿区・文京区・渋谷区
「城東エリア」中央区、台東区、墨田区、江東区、葛飾区、江戸川区の6区
「城西エリア」渋谷区、新宿区、世田谷区、中野区、杉並区、練馬区の6区
「城南エリア」港区、品川区、目黒区、大田区の4区
「城北エリア」文京区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、足立区の6区

中古一戸建てマーケット分析担当:LIFULL HOME'S PRESS 編集部 楢﨑 美香(ならさき みか)

住宅リノベーション会社で大小さまざまなリノベーションを500件あまり担当。住宅不動産業界の情報の非対称性に課題を感じ、2018年にLIFULL入社。あらゆる人々が公平・満足・快適な住まい探しを実現できるよう、LIFULL HOME'S PRESS、LIFE LISTなどの記事メディアで情報発信に携わる。二級建築士、宅地建物取引士の資格保有。趣味は街歩き

 

 

 

 

 

20246月版】

シングル向き賃貸物件

2024年6月の首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)シングル向き賃貸物件の掲載平均賃料は7万9,058円(前月比99.7%・前年比104.3%)、反響平均賃料は8万95円(前月比99.6%・前年比102.5%)、近畿圏(大阪府、兵庫県、京都府)シングル向き賃貸物件の掲載平均賃料は5万7,567円(前月比100.0%・前年比102.8%)、反響平均賃料は5万8,457円(前月比99.7%・前年比98.0%)となった。

東京都では、東京23区シングル向き賃貸物件の掲載平均賃料は10万3,268円(前月比99.6%・前年比109.0%)、反響平均賃料は9万2,496円(前月比99.2%・前年比100.9%)、東京市部シングル向き賃貸物件の掲載平均賃料は5万8,465円(前月比100.9%・前年比101.3%)、反響平均賃料は6万4,287円(前月比100.5%・前年比99.7%)となった。

ファミリー向き賃貸物件

2024年6月の首都圏ファミリー向き賃貸物件の掲載平均賃料は12万8,620円(前月比97.8%・前年比109.9%)、反響平均賃料は11万6,247円(前月比99.0%・前年比103.3%)、近畿圏ファミリー向き賃貸物件の掲載平均賃料は8万3,880円(前月比100.3%・前年比103.8%)、反響平均賃料は8万7,731円(前月比99.6%・前年比100.9%)となった。

東京都では、東京23区ファミリー向き賃貸物件の掲載平均賃料は21万686円(前月比98.2%・前年比112.8%)、反響平均賃料は17万985円(前月比101.0%・前年比104.0%)、東京市部ファミリー向き賃貸物件の掲載平均賃料は9万7,915円(前月比99.5%・前年比103.3%)、反響平均賃料は10万1,476円(前月比100.2%・前年比100.8%)となった。

シングル向き中古マンション

2024年6月の首都圏シングル向き中古マンションの掲載平均価格は3,538万円(前月比100.5%・前年比101.7%)、反響平均価格は2,719万円(前月比102.7%・前年比108.5%)、近畿圏シングル向き中古マンションの掲載平均価格は2,054万円(前月比103.5%・前年比114.2%)、反響平均価格は1,675万円(前月比108.1%・前年比118.4%)となった。

東京都では、東京23区シングル向き中古マンションの掲載平均価格は4,412万円(前月比100.2%・前年比107.4%)、反響平均価格は3,400万円(前月比102.4%・前年比110.1%)、東京市部シングル向き中古マンションの掲載平均価格は2,107万円(前月比102.6%・前年比104.0%)、反響平均価格は1,177万円(前月比111.8%・前年比82.7%)となった。

ファミリー向き中古マンション

2024年6月の首都圏ファミリー向き中古マンションの掲載平均価格は3,985万円(前月比100.7%・前年比95.4%)、反響平均価格は3,641万円(前月比102.3%・前年比104.7%)、近畿圏ファミリー向き中古マンションの掲載平均価格は2,649万円(前月比99.8%・前年比97.8%)、反響平均価格は2,564万円(前月比103.5%・前年比108.6%)となった。

東京都では、東京23区ファミリー向き中古マンションの掲載平均価格は6,438万円(前月比103.3%・前年比105.9%)、反響平均価格は5,977万円(前月比102.7%・前年比108.8%)、東京市部ファミリー向き中古マンションの掲載平均価格は3,229万円(前月比98.9%・前年比96.6%)、反響平均価格は3,044万円(前月比104.2%・前年比116.4%)となった。

中古一戸建て

2024年6月の首都圏中古一戸建ての掲載平均価格は3,564万円(前月比100.2%・前年比95.4%)、反響平均価格は2,602万円(前月比111.7%・前年比100.6%)、近畿圏中古一戸建ての掲載平均価格は2,464万円(前月比99.6%・前年比98.7%)、反響平均価格は1,859万円(前月比99.1%・前年比98.2%)となった。

東京都では、東京23区中古一戸建ての掲載平均価格は7,604万円(前月比100.3%・前年比101.4%)、反響平均価格は6,245万円(前月比120.7%・前年比111.5%)、東京市部中古一戸建ての掲載平均価格は3,534万円(前月比99.4%・前年比95.6%)、反響平均価格は2,393万円(前月比101.2%・前年比92.1%)となった。

詳しいデータは、LIFULL HOME'S PRESSの記事を参照ください

-  LIFULL HOME'Sマーケットレポート 賃貸 首都圏版
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LIFULL HOME'Sマーケットレポート 賃貸 愛知・札仙広福圏版
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LIFULL HOME'Sマーケットレポート 中古一戸建て 首都圏版
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 データダウンロードはこちら(2021年2月~2024年6月)

集計対象データ

2024年6月1日~6月30日に、LIFULL HOME'Sで登録・公開された居住用賃貸マンション・アパート・居住用中古区分マンション・居住用中古一戸建て
シングル向き :ワンルーム、1K、1DK、1LDK、2K
ファミリー向き:2DK、2LDK、3K、3DK、3LDK~

 LIFULL HOME'S PRESSについて(URLhttps://www.homes.co.jp/cont/press/

衣食住は人にとってかけがえのないもの。その中でも住まい選びは人生の大きな選択のひとつです。一人ひとりが楽しみながら、自信を持って住まい選びができるように。LIFULL HOME'S PRESSは、住まいを取り巻く「本当」と「今」の情報を通じて、人と住まいの豊かで幸せな関係を目指していきます。

 

 

 

LIFULL HOME'S について(URLhttps://www.homes.co.jp/

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株式会社LIFULLについて (東証プライム:2120URLhttps://lifull.com/

LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。現在はグループとして約60の国と地域でサービスを提供しており、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」、空き家の再生を軸とした「LIFULL 地方創生」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」など、この世界の一人ひとりの暮らし・人生が安心と喜びで満たされる社会の実現を目指し、さまざまな領域に事業拡大しています。

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