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LIFULL HOME'S総研による研究報告書 「住宅幸福論Episode.3 lonely happy liberties ひとり暮らしの時代」発刊

2020年06月09日

株式会社LIFULLは、このたび、社内シンクタンク「LIFULL HOME'S総研」による研究報告書「住宅幸福論Episode.3 lonely happy liberties ひとり暮らしの時代」を発行いたしました。

 

■調査、発行の背景と狙い
LIFULL HOME'S総研は、より豊かで真に自由な住生活の実現のため、住まいに関わる独自の調査研究を行う社内シンクタンクとして2013年7月に設立いたしました。これまでに発表した『Episode1 住まいの幸福を疑え』『Episode2 幸福の国の住まい方』で得られた、住まいの幸福度を高めるには“新築”や“一戸建て”などのハコのスペックよりも主体的な住まい方・暮らし方が大切である、という知見を踏まえ、本報告書では「単身世帯」が最大の世帯類型となった(※)「おひとりさま社会」の日本で、今後求められる家や街のあり方を考えます。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、外出自粛やリモートワークの実施で「家」のことを考える機会になった方も多い一方で、ひとり暮らしの方は今後、これまで以上に孤独を感じることが予想されます。
本報告書では、単身世帯の孤独についても、その実態を把握し、今後の議論の材料として発表いたします。

※ 国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の生来推計 2018年推計」

 

■調査から見えた住まい方の概要

 ・単身世帯は2人以上世帯に比べて住生活における総合的な幸福度が低い

・同じ独身でも、誰かと一緒に住む人よりもひとり暮らしのほうが住まいの幸福度が低い

・単身世帯の中では、ほとんどの場合で男性は女性よりも幸福度が低い

・単身男性と単身女性で家でのネガティブな感情の経験頻度は大きく違わないが、ポジティブな感情の経験頻度で女性は男性を大幅に上回り、女性の方がリラックスや気分転換が上手い

家の満足度には、家のスペック面と管理の評価が影響する

家でのポジティブな感情は、家の定性的感覚評価と他者との交流が鍵を握る

・家のエウダイモニアは住空間への主体的な関与(インテリアへのこだわり、模様替え、DIYなど)よってもたらされる

・単身世帯の孤独の緩衝材は「ポジティブな感情とエウダイモニア」の高まる暮らしと「地域社会との緩いつながり」

 

LIFULL HOME'S総研 所長 島原 万丈からのコメント

今回のコロナ禍によるステイホームは、図らずもわたしたちが自分の住まいと深く向き合うきっかけになりました。家の居心地のよさ、住む街の暮らしやすさや楽しさ、人と出会いや交流など、住生活が自分の幸福に大きな意味を持っていることに気がついた人は多いと思います。今回の研究テーマである「ひとり暮らし」は、これまでの住宅不動産市場では利便性ばかりが重視され、住生活の心の豊かさが軽視されてたのではないでしょうか。過去の住宅幸福論シリーズでも、単身世帯の住生活の満足度が一貫して低い傾向が見られます。いまや全世帯の4割近くを占めるまでに増加した単身世帯。今回の「住宅幸福論Episode3」では、ひとり暮らしの幸福と不幸について深く考えてみました。

 

株式会社LIFULL/LIFULL HOME'S総研 所長
1989年株式会社リクルート入社。2005年より リクルート住宅総研。2013年3月リクルートを退社、同年7月株式会社ネクストでHOME'S総研所長に就任。他に一般社団法人リノベーション住宅推進協議会設立発起人、国交省「中古住宅・リフォームトータルプラン」検討委員など。
LIFULLのオウンドメディア「LIFULL STORIES」では島原所長のインタビューを掲載中です。「決められたルールに、疑問を持っちゃいけない」https://media.lifull.com/stories/2019051650/

 

▼これまでの報告書 ()内は発行年
・STOCK & RENOVATION 2014(2014)
・Sensuous City[官能都市]  – 身体で経験する都市;センシュアス・シティ・ランキング(2015)
・寛容社会 多文化共生のために<住>ができること(2017)
・住宅幸福論 Episode1 – 住まいの幸福を疑え(2018)
・住宅幸福論 Episode2 – 幸福の国の住まい方(2019)

 

■「住宅幸福論 Episode.3 lonely happy liberties ひとり暮らしの時代」の概要
・A4変形版 フルカラー271ページ
・目次:
 00.PROLOUGUE
 第1章 個人化した現代社会
 第2章 望んで手に入れた未来
 第3章 本報告書の問題意識

 01.INTRODUCTION
 単身世帯増加の実態 吉永奈央子(株式会社ディ・プラス フェロー)
 <個人化する社会>の想像力  渡會知子 (横浜市立大学准教授)
 ロビンソン・クルーソーの家  清水千弘 (東京大学空間情報科学研究センター特任教授・日本大学教授)

 02.RESEARCH  
 住宅幸福論調査Episode3 分析レポート単身世帯の住生活実態調査
 ・調査概要
 ・回答者プロフィール
 ・Ⅰ.未婚単身世帯の住生活実態
 ・Ⅱ.未婚単身世帯の住生活満足度分析
 ・Ⅲ.未婚単身世帯の孤独度分析

 03.CASE STUDY 
 現場レポート「まち×わたし」 –おひとり様(特に男性)が幸福に暮らせるまちを考える–  中川寛子(東京情報堂)

 04.EPILOGUE
 終章 ご機嫌なおひとりさま社会をつくるために
 第1章 ひとり暮らしの住まいの幸福度を測る
 第2章 幸福なひとり暮らしをつくる
 第3章 ひとり暮らしの不幸を減らす
 第4章 孤独という名の不幸せ
 第5章 ひとり暮らしの孤独感を緩和するもの
 あとがきにかえて アフターコロナの時代のひとり暮らし

本報告書は購読を希望される方に無料(※)で進呈いたします。
ご希望の方はLIFULL HOME'S総研のWebサイトよりお申込みください。また、同サイトにてPDF版のダウンロードも可能です。
※送料のみ着払い・宅配便にてご負担をお願いいたします。

LIFULL HOME'S総研 Webサイト:http://www.homes.co.jp/souken/