2026.09.29
【LIFULL HOME'S総研最新レポート発刊】日本社会が直面する多文化共生の課題を、住宅・地域社会から検証する「在留外国人居住実態と日本人の意識調査」
日本人の「排外主義」上昇の背景にSNSのエコーチェンバーと“幸福度の低さ”
事業を通して社会課題解決に取り組む株式会社LIFULL(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:伊東祐司、東証プライム:2120、以下「LIFULL」)の社内シンクタンク「LIFULL HOME'S総研」は、研究報告書「在留外国人居住実態と日本人の意識調査」を2026年9月29日に発刊しました。
本レポートにおける日本人向けアンケートの分析から、近年高まる「外国人への排外主義的な意識」の実態と、その背後にある日本人自身のウェルビーイング(幸福度)やSNSの影響などの根本課題が浮き彫りになりました。

レポートダウンロードURL: https://www.homes.co.jp/souken/report/202609/
調査ハイライト
- 高まる「排外主義」と、実態が伴わない「不安」のギャップ
- 2017年の調査と比較して、「定住する外国人が増えると犯罪発生率が高くなる」と考える人は48.1%から59.5%へ、「不法滞在している外国人を国外退去させるためもっと厳しく取り締まるべきだ」は52.8%から71.6%へと上昇し、外国人を脅威とみなす排外主義が明確に高まっています。

- 2017年の調査と比較して、「定住する外国人が増えると犯罪発生率が高くなる」と考える人は48.1%から59.5%へ、「不法滞在している外国人を国外退去させるためもっと厳しく取り締まるべきだ」は52.8%から71.6%へと上昇し、外国人を脅威とみなす排外主義が明確に高まっています。
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- 外国人に守ってもらいたい公共マナーへの要求も軒並み高まっている一方で、実際に外国人に迷惑をかけられた経験を聞くと、51.9%が「実際には特にない」と回答しました。


- 日本人の81.6%が普段の生活のなかで外国人と「まったく/あまり交流はない」と答えており、外国人との日常的な交流がないまま、実被害を大きく超える不安やマナー要求が高まっている実態が明らかになりました。

- 自分が住む地域に外国人が増えることに対して、「とても良いと思う」と「良いと思う」の回答は合わせて15.4%で、2017年の25.0%から10ポイント減り、「あまり良いとは思わない」と「まったく良いとは思わない」の回答は31.0%から41.2%へ増えています。在留外国人の人口が増え続け過去最高に達している一方で、日本人の中には外国人の増加に否定的な意見が増えていることが明らかになりました。

- 外国人に守ってもらいたい公共マナーへの要求も軒並み高まっている一方で、実際に外国人に迷惑をかけられた経験を聞くと、51.9%が「実際には特にない」と回答しました。
- 否定派ほど「SNS」に依存。エコーチェンバーによってネガティブなイメージが増幅か
- 自分の住む地域に外国人が増えることに対して「否定的」な人ほど、外国人に関する情報源として「SNSやネットニュースで流れてくる情報」を挙げる割合が高く(39.3%)、肯定的な人(26.2%)を大きく上回りました。
- 外国人増加に対して否定的な意見の層は、現実の外国人との接触が乏しいにもかかわらず外国人から受けた迷惑の経験率が高く出ました。これはSNSのアルゴリズムやエコーチェンバー現象によって、ネガティブな外国人イメージが増幅されている可能性が考えられます。

- 賛否を分ける最大の要因は日本人の「幸福度(ウェルビーイング)」
- 外国人の増加に対して肯定的な人の幸福度(10点満点)は平均6.77点と高く、日本全体(平均5.99点)を大きく上回りました。逆に、否定的な人の幸福度は平均5.64点と平均を下回りました。

- 外国人増加に肯定的な人では、現在の生活に満足している割合が74.1%、幸福度は6.77で6.0点以上が65.9%と、いずれも外国人増加に否定的な人を大幅に上回っています。さらに、地域社会の一員として認められていると感じる人が62.8%に達しました。
所得や雇用、外国語能力といった社会経済的な余裕に加え、現在の生活への満足、自分が社会に受け入れられているという安心感が外国人の増加を肯定的に受け止められるかどうかに大きく関係していると言えます。

- 外国人の増加に対して肯定的な人の幸福度(10点満点)は平均6.77点と高く、日本全体(平均5.99点)を大きく上回りました。逆に、否定的な人の幸福度は平均5.64点と平均を下回りました。
調査概要
・ 調査対象
【在留外国人向け調査】
関東7都道府県(東京都、茨城県、栃木県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)、東海4県(岐阜県、静岡県、愛知県、三重県)、京都府・大阪府・兵庫県に居住する、国籍・地域が中国(香港含む)、ベトナム、韓国、フィリピン、ネパール、インドネシア、ブラジル、ミャンマー、スリランカ、台湾、米国(表記と順序は法務省の令和7年6月の「在留外国人統計」と在留外国人数に基づく)である、18~79歳の男女1,701名。
【日本人調査】
外国人の人口比率が高い市区町村に居住する18~79歳までの男女2,060名。
各市区町村の「在留外国人の人口比率」を上位から順番に並べ、累積在留外国人総数の割合が50%を超えるまでの自治体を調査対象地域と設定した。結果、調査対象自治体の数は292となった。
※データ補正(ウェイトバック):外国人向け調査の全体値の分析にあたっては、在留資格の人数構成比を反映したウェイトバック係数を用いている。
・ 調査方法
外国人調査、日本人調査とも、株式会社マクロミルのインターネット・リサーチパネルを利用。
・ 調査対象時期
在留外国人調査:2026年5月29日(金)~6月11日(木)
日本人調査:2026年7月14日(火)~7月15日(水)
LIFULL HOME'S総研 所長 島原 万丈 コメント
2025年末の時点で日本に住む外国人の人口は412万人を超え、過去最高を記録しています。今や製造業、建設業、サービス業、農業・漁業など幅広い産業の現場は外国人の力なしでは立ち行かないのが現状です。しかし、その一方で日本社会の中に増え続ける外国人に対する不安や不満も高まっていることも事実です。しかし、そのような不安や不満は外国人の実態に基づくものでしょうか。またSNSや動画共有サイトには排外主義的な意見も目立ちますが、それらは本当に一般的な日本人の意見でしょうか。私たちは外国人問題について事実をよく分かっていないまま語ってはいないでしょうか。
今回の調査研究では、日本に住む外国人の生活実態を明らかにするとともに、合わせて日本人の外国人に対する意識についても調査しました。明らかになったのは、確かに日本人の中に外国人に対する否定的な見方は増えているものの、その意見は外国人の実態とはギャップが大きいことです。外国人の増加に対して否定的な人が、必ずしも実際に外国人から迷惑行為を受けた経験が多いわけではありません。外国人に肯定的な人と否定的な人の最大の違いは本人の幸福度です。相対的に幸福度の低い人が外国人に対して否定的な意見を持ちやすいのです。このことは、外国人問題が、実は日本社会の問題でもあることを示唆しています。
<プロフィール>
1989年株式会社リクルート入社。2005年より リクルート住宅総研。2013年3月同社を退社後、同年株式会社LIFULL(旧株式会社ネクスト)でLIFULL HOME'S総研所長に就任。一般社団法人リノベーション協議会設立発起人・エグゼクティブアドバイザー、リノベーション・オブ・ザ・イヤー審査委員長。東京大学大学院非常勤講師、内閣府地方創生推進アドバイザーほか、国土交通省、地方自治体、業界団体の各種アドバイザー・委員を歴任。主な著書に『本当に住んで幸せな街 全国官能都市ランキング』(光文社新書)がある。
本報告書は希望される方に無料(※)で進呈いたします。(無くなり次第終了)
ご希望の方はLIFULL HOME'S総研の公式サイトよりお申込みください。また、同サイトにてPDF版のダウンロードも可能です。
LIFULL HOME'S総研公式サイト:https://www.homes.co.jp/souken/report/202609/
※送料のみ着払い・宅配便にてご負担をお願いいたします。
「在留外国人居住実態と日本人の意識調査」概要
0. Essay
[巻頭エッセイ]雑食な日本の私
島原万丈 LIFULL HOME'S 総研 所長
01. Introduction
01- ①
[序章]右傾化する日本で寛容を問い直す
島原万丈LIFULL HOME'S 総研 所長
01- ②
公的統計で見る外国人の受け入れの実態
渋谷雄大LIFULL HOME'S 総研 研究員
02. Survey Data Analysis
02- ①
LIFULL HOME'S 総研 オリジナルアンケート調査分析[1]
在留外国人の居住実態と日本人の意識に関する調査
橋口理文 株式会社ディ・プラス
吉永奈央子 リサーチャー/株式会社ディ・プラス フェロー
02- ②
LIFULL HOME'S 総研 オリジナルアンケート調査分析[2]
日本で暮らす外国人のウェルビーイング
有馬雄祐 九州大学大学院 人間環境学研究院 都市・建築学部門 助教
03. Feature Report & Contribution
03- ①
環境は大きく変化
不動産事業者と外国人居住者、この10 年の取り組み
中川寛子 株式会社東京情報堂代表
03- ②
外国籍と住まいの選択── 移民二世の挑戦
龔 軼群(キョウ イグン) 株式会社LIFULL「FRIENDLY DOOR」責任者
03- ③
Open the Door, Slowly
── 国際労働移動から考える、寛容社会の経済学
清水千弘 一橋大学 ソーシャル・データサイエンス研究科 教授/ブリティッシュコロンビア大学経済学部 客員教授
04. Conclusion
[終章]寛容社会を問い直す
── ウェルビーイングから考える「秩序ある共生」
島原万丈 LIFULL HOME'S 総研 所長
▼ これまでの報告書 ※()内は発行年
・STOCK & RENOVATION 2014(2014)
・Sensuous City [官能都市] – 身体で経験する都市;センシュアス・シティ・ランキング(2015)
・寛容社会 多文化共生のために<住>ができること(2017)
・住宅幸福論 Episode1 – 住まいの幸福を疑え(2018)
・住宅幸福論 Episode2 幸福の国の住まい方(2019)
・住宅幸福論 Episode3 ひとり暮らしの時代(2020)
・地方創生のファクターX ~寛容と幸福の地方論~(2021)
・“遊び”からの地方創生 ~寛容と幸福の地方論Part2~(2022)
・地方創生の希望格差 ~寛容と幸福の地方論Part3~(2023)
・STOCK & RENOVATION 2024(2024)
・Sensuous City(センシュアス・シティ) [官能都市] 2025(2025)
※すべての報告書は、LIFULL HOME'S総研の公式サイトよりダウンロードいただけます。
https://www.homes.co.jp/souken/report/
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株式会社LIFULLについて(https://lifull.com/)
LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。現在はグループとして、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」、不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家(けんびや)」などの事業展開を行っています。
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