2021.04.15
LIFULL Table Presents『地球料理 -Earth Cuisine-』第三弾 発表 カカオの廃材から生まれた、新しいサスティナブルスイーツ “ECOLATE”
URL:https://table.lifull.com/earthcuisine/ecolate/
世界で議論を巻き起こす「チョコレート危機」と向き合う新たな試み
コロナ禍で需要拡大傾向が続く中、生産者の困窮から原料カカオに迫る“消滅の危機”
カカオマスを使用しないサスティナブルで美味しい、新しいチョコの在り方を人気若手シェフ2名と共に提案
株式会社LIFULL(ライフル)は、飲食事業LIFULL Table Presents「地球料理 -Earth Cuisine- (アース・キュイジーヌ)」プロジェクトの第三弾として、フーズカカオ株式会社(Whosecacao, inc.|本社:東京都渋谷区、代表取締役:福村 瑛、以下「フーズカカオ」)と協業し、2021年4月15日(火)より「カカオの廃材」を使用したサスティナブルで新しいチョコレート「ECOLATE 」を、当社運営ECサイトにて予約発売開始いたしました。
「地球料理-Earth Cuisine-」は、地球上でまだ光を当てられていない素材にフォーカスし、その素材を食べる事で地球のためになる、地球の新たな食材を見つけるプロジェクトです。第三弾である今回はカカオに注目しました。
世界中で愛されるスイーツのひとつチョコレートですが、長年にわたり生産体制と環境への配慮が十分になされておらず、近年においてはカカオの国際相場の低迷もあり、生産者であるカカオ農家の貧困問題は深刻です。今『チョコレート危機』として危惧されている社会問題に対し、カカオの主要生産地から遠く離れた日本でも何らかの工夫を凝らすことで向き合いたいと考えました。このままでは2050年までにチョコレートが食べられなくなってしまう恐れがあるともいわれています。この度の開発プロジェクトでは、注目を集める人気若手シェフ江藤 英樹氏、上妻 正治氏とタッグを組み、一般的にチョコレート製造で用いられるカカオマスやココアバターを使用せず、通常廃棄されてしまうカカオ豆の殻、枝、葉を使用することで計2品のサスティナブルで新しいチョコレート「ECOLATE」を開発しました。尚、「ECOLATE」は、当社運営のECサイトにて4月15日より予約販売開始いたします。今後の展開にも、ぜひご期待ください。
- プロジェクトの背景 - 深刻化する『チョコレート危機』の裏に存在する、社会課題と向き合う -
コロナ禍でストレスフルな日々が続き、長期にわたり外出自粛を余儀なくされる中、「癒し・安らぎ」を求めて需要の高まりを見せているのが「チョコレート」です。日本でも日常生活において最も身近なスイーツの一つであり、日本のチョコレート市場は10年で35%成長しています。一方で、近年原料であるカカオの生産において社会課題が浮彫りになり、『チョコレート危機』として世界的に危惧されています。このままでは2050年までにチョコレートが食べられなくなってしまう恐れがあるともいわれており、環境への配慮と生産体制の共存が急務となっています。
長年、チョコレートをはじめカカオを原料とする商品の大量生産・大量消費、価格低迷を背景に、カカオ農家の多くは貧困状態にあり、低賃金、危険労働など、カカオを取り巻く環境は複雑かつ深刻な社会問題となっています。また、その需要故の生産地拡大による環境破壊、地球温暖化に伴う気候変動やカカオ樹の老齢化、カカオ樹が罹る病気の脅威も相まってカカオ不足は深刻な状況です。
当社は安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指す企業として、カカオを取り巻く社会課題に目を向けました。7割が廃棄されているとされる「カカオの廃材」に新たな「食材」としての価値を与えることで、農家の貧困問題を解決する第一歩にできないか、カカオ農家にとっても新たなエコシステムを構築できないかと考えた結果「ECOLATE」の開発に至りました。
公益志本主義経営ですべてのステークホルダーに対し利他の実践を掲げる当社だからこその発想で、チョコレートを取り巻く環境を見つめ直し、人間本位の「美味しさ」だけではなく、地球環境という傘のもと生産者、消費者などのあらゆるステークホルダーが「幸せ」を見付けられる「新たな美味しさ」を提案します。2021年、コロナ禍で迎える2度目の春。未来の自分や大切な人へ、これから先の未来でもチョコレートが存在し続けられるように、LIFULLでは「LIFULL Table Presents 地球料理 -Earth Cuisine-」第三弾「ECOLATE」の開発を通じ、カカオの廃材を「食べる」という新たな用途を提案することで、カカオを取り巻く社会課題を今一度提起し地球を守る取り組みの一助になりたいと考えています。
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「ECOLATE」商品詳細
- 一般的にチョコレート製造で用いられるカカオ部位*1を使用せず廃材を使用した新しいチョコレート –
ECOLATE CARRE(エコレート カレ) 2,200円(税込)
江藤 英樹シェフ開発
カカオ⾖の殻、枝、葉から生まれた新しいひと⼝チョコレート
写真左から順に、
・カカオ豆の殻の含有量50%:カカオ豆の殻を感じる食感と、ビターな香ばしさ。
・枝の含有量20%:ほのかな枝の香りと食感で、舌の上に木々を感じて。
・カカオ豆の殻・枝・葉の含有量30%:まるで森にいるような香りと3種の素材が新しい食感を奏でる。
まったく新しいひと口チョコレートのおいしさをお楽しみください。
ECOLATE TABLETTE(エコレート タブレット) 1,760円(税込)
上妻 正治シェフ開発
カカオ廃材含有量33%
カカオ⾖の殻から生まれた新しい板チョコレート
パウダー状にしたカカオ豆の殻を33%使用した板チョコレート。
口いっぱいに広がる、カカオとココナッツが織り成す豊かな風味。
ほろ苦い甘さのなかに、酸味を感じる大人な味わい。
カカオ豆の殻の歯触りとその後に続くなめらかな口溶け。
まったく新しい板チョコレートのおいしさをお楽しみください。
*1 一般的なチョコレート製造ではカカオ豆の「カカオマス」「ココアバター」が使用されますが、本商品では通常廃棄されるカカオ豆の殻、枝、葉を使用しています
- 「ECOLATE」を通しこれからの時代に求められる「新しいおいしさ」に挑んだ開発シェフ
江藤 英樹(HIDEKI ETO)
チョコレートやカカオを仕事の中で使うことが多く、サロンデュショコラにも毎年出ている中で、親しいカカオ生産者さんもいます。消費文化を作る農園への支援として、今まで使われていない部位を食材に変えることで、カカオの新しい生態系をつくりたいと思い本プロジェクトに参加しました。
今回の開発は、カカオ豆を使わないというかなりハードルの高い開発でしたが、社会問題を考えるきっかけになるよう、カカオ豆以外の素材を主役にする香りや味、食感などのバランス感を検討しながら開発しました。
【プロフィール】辻調グループフランス校卒業。フランス・ラナプール「L’OASIS」カンヌ「villa des Lys」にて修行。「BEIGE Alain Ducasse TOKYO」にて経験を積み、「DOMINIQUE BOUCHET TOKYO」「SUGALABO」「THIERRY MARX」等、数々の名店でシェフパティシエを歴任し、2020年「unis」のシェフパティシエ「Social Kitchen」プロデューサーに就任。
上妻 正治(MASAHARU KOZUMA)
本プロジェクトのお話をいただいた時、年々チョコレートの需要が高まる現代社会において、廃棄物を有機肥料としての消費ではなく、食品として買い取り消費することによって、カカオの農園の発展と生産者の経済的手助けと環境問題解決の取り組みになるのではないかと考えました。クリエーターとしてこの取り組みで力を発揮し、「問題解決の力添えをしたい」「国を越えた問題解決の新しい取り組みの一員になりたい」と思い参加いたしました。
私は廃棄物であるカカオハスクを使用し”チョコレートらしく”食べてもらうことを意識して開発しました。こだわった部分は、チョコレートらしい香りを表現する為にカカオハスクの使用量、食感(硬さや滑らかさ)を表現する為に油脂の選定、さらにカカオハスクの持つ苦味成分を緩和させる為に使用する糖の選定と配合量にもこだわりました。
【プロフィール】東京都製菓専門学校卒業後、パティスリーキャロリーヌ、クリオロでチョコレート部門責任者を務め「Social Kitchen」ディレクターに就任。ジャパンケーキショーにて計3度の金賞受賞、World Chocolate Masters国内予選チョコレート部門1位、総合3位など受賞多数。
- 高品質なカカオ供給を通し「カカオの廃材」食品化実現に貢献いただいた協業先
フーズカカオ株式会社 代表取締役 福村 瑛(AKIRA FUKUMURA)
本プロジェクトの話を聞いて、僕らが普段食べているチョコレートの原料は「カカオの種子」であり本来はカカオの木として繁栄していくために残すべきものだと気づきました。チョコレートの需要は世界中で増え続ける一方で、品種改良しカカオ豆をたくさんつくれるカカオの木が注目され育苗されています。種子だけを食べるという行為は種の多様性を減らし、未来を途絶えさせる可能性が増える行為だと感じてからカカオの木を食べることで未来のカカオ生態系をつくれるこのプロジェクトの可能性にとてもワクワクしました。農家さんが木や葉っぱも食品として扱い、農薬を使わずに育ててくれるとカカオ豆自体の農薬問題解決の一助にもなります。これまで食品として流通させられていなかったものを流通させるために解決すべき課題はまだまだありますがこのプロジェクトをきっかけに「カカオの木を食べる文化」が発展することを期待しております。
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株式会社LIFULL 執行役員 CCO からのコメント
川嵜 鋼平(KOHEI KAWASAKI)
コロナ禍2度目の春。まだまだ先が見えず制限の多い日常は続いていますが、数年前の「当たり前」が当たり前ではなくなった今だからこそ、癒しや幸せをくれる「チョコレート」が直面している危機について見つめ直してみてはいかがでしょうか。2018年から立ち上げた「地球料理 Earth Cuisine」プロジェクトでは、“持続可能な社会を叶える、LIFEを見つめ直す、一皿を。”というコンセプトの元、実際に食べる生活者だけではなく、シェフ、その先にいる生産者、さらには地球環境含めて、全てのステークホルダーが幸せになれる「新しいおいしさ」をクリエイションしていきました。今回はビジョンに大変共感いただいたシェフである江藤さん・上妻さん、フーズカカオ福村さんにご賛同いただき、共に持続可能な社会を作る仲間として協業させていただくことができました。食べて美味しいという今までの当たり前の価値観を超えて、「ECOLATE」を食べることを通して、今までのLIFEを見つめ直す機会になれば幸いです。
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「地球料理 -Earth Cuisine-」プロジェクトとは
LIFULLの飲食事業LIFULL Tableが展開する「地球料理 –Earth Cuisine-」は、食べることが地球のためになる、そして新たな食材の可能性を探るためのサスティナブルなプロジェクトです。プロジェクト第一弾は2018年10月「Eatree Plates」から始まり、2019年3月からは間伐材を使用したパウンドケーキ「Eatree Cake 〜木から生まれたケーキ〜」を発売。そして、2019年9月、第二弾として放置竹林をテーマにした「Bamboo Sweets -竹害から生まれた和菓子-」を発表し、2020年2月からは原料に福岡県にある放置竹林の竹と笹を、約24%使用した、これまで世界になかった竹を味わい尽くす「Bamboo Galette(バンブー ガレット) -竹害から生まれたガレット-」を発売。放置竹林を「食べる」という新たな用途を開発することで、地球を守る取り組みの一助になりたいと考えています。
▶「地球料理 -Earth Cuisine-」:https://table.lifull.com/earthcuisine/