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2021.09.15

LIFULL お知らせ・その他

<LIFULL HOME'S総研における研究報告書発表> 「地方創生のファクターX~寛容と幸福の地方論~」発刊

地方創生議論が見落としてきた、地方を真に活性化させる「ファクターX」!
地場の「経済力」ではなく地域が育む「寛容度」の重要性が明らかに

47都道府県の寛容度調査を多角的に分析しランキング化!
首都圏からのUターン意向を多く集める地域は、高い寛容性を擁することが判明

不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」等の住生活情報サービスを提供する株式会社LIFULL(ライフル)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井上高志、東証第一部:2120)は、このたび、社内シンクタンク「LIFULL HOME'S総研」による研究報告書「地方創生のファクターX~寛容と幸福の地方論~」を発行いたしました。

本報告書内では、独自のアンケート調査を元に47都道府県の「寛容性」と「幸福度(Well-being)」を調査・測定した結果を様々な角度から検証し提言としてまとめております。分析の結果、地域の「寛容性」と人口流出意向・首都圏からのUターン意向の間に密接な関係があることが分かり、地域の「寛容性」が地方創生議論において、これまで見落とされがちであった“ファクターX”であるという結論に至りました。

新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、様々な場面での「デジタル化」を意味するデジタルトランスフォーメーションが広がっています。この変化は「地方創生」にとって追い風とも考えられる今、地方創生の重要な指標として「寛容性」に注目することを提案します。また、近年さまざまなシーンで注目度が高く、今後の地方創生議論の中でも不可欠になると思われる「幸福度(Well-being)」の実態についても、都道府県別に把握することで今後の議論の材料として報告書に掲載いたしました。本書では、学術的な知見やさまざまな現場における実践例を取材・調査し、全体の議論を補強しております。

【本研究報告書のポイント】

地方創生の最後の砦(ファクターX)は地場の「経済力」ではなく「寛容度」である

報告書ダウンロードURL:https://www.homes.co.jp/souken/report/202108/

  • 地方創生議論がこれまで見落としていた「ファクターX」は「寛容性」
    首都圏からのUターン意向が高い地域は寛容性も高い
    地域の寛容性は地元に住む人の離脱意向を抑える
    特に他県からの移住者の定着には地域の寛容性が大きく影響する
  • 共同体の結びつきの強さを意味する地域社会の“凝集性”は地域の寛容性を低下させ、アートやエンタテインメントなどの“文化芸術”は寛容性を向上させる
    規律や道徳、名誉や面子を過大に重んじる地域の気質(凝集性)は地域社会の寛容性を下げ、その地域からの人口転出を加速させる
    芸術文化への接触機会に裏付けされた文化水準の満足度は寛容性を高める効果を持つ
  • 「二拠点生活」や「ワーケーション」などその土地に「住む」アクションを伴う場合、若者のU ターン意向は刺激され、強い相関関係があることが分かる
  • 地域の幸福度(Well-being)を高めることは、地方における人口減少の緩和に大きな効果がある
    幸福度(Well-being)は社会増減(*1)だけでなく出生率にも影響しており、仕事の満足度や人間関係の満足度に強い影響を受ける           

*1 ある地域の人口が他地域からの転入あるいは他地域への転出によって生じる増減のこと

■株式会社LIFULL/LIFULL HOME'S総研 所長 島原 万丈からのコメント

東京圏の一極集中の是正を目指す 地方創生は2013年の前政権から続く重要な国策で、これまで毎年1兆円以上の予算が注ぎ込まれてきましたが、目に見える成果は上がっていません。コロナ禍で地方移住が注目された2020年ですら東京圏への人口集中傾向は続いています。地方創生事業では、地方から東京圏への人口移動が止まらないのは地方における雇用や所得の問題だと考え、とりわけ地方経済の“稼ぐ力”に重点が置かれます。ところが各種統計で確認してみると、必ずしも人口の社会増減を雇用や所得で単純に説明することは出来ません。LIFULL HOME'S総研では、従来の地方創生議論であまり話題になることのない隠れた要因があるのではないかと考え、それを地方創生の「ファクターX」として調査研究プロジェクトを立ち上げました。結論から言えば、昨今社会的な関心の高いジェンダーフリーやマイノリティの包摂など、概して言うと個人のあり方の自由や権利に対する地方の「寛容性の低さ」が、地方から東京圏への人口移動を促進している「ファクターX」です。今後の地方創生政策においては、地域社会の寛容性を重要な指標として設定し、これを高める施策を戦略的に打ち出す必要があると言えるでしょう。

<プロフィール>
1989年株式会社リクルート入社。2005年より リクルート住宅総研。2013年3月リクルートを退社、同年7月株式会社ネクストでHOME'S総研所長に就任。他に一般社団法人リノベーション住宅推進協議会設立発起人、国交省「中古住宅・リフォームトータルプラン」検討委員など。LIFULLのオウンドメディア「LIFULL STORIES」では島原所長のインタビューを掲載中です。「決められたルールに疑問を持っちゃいけない、なんてない。」https://media.lifull.com/stories/2019051650/

▼これまでの報告書 ()内は発行年
・STOCK & RENOVATION 2014(2014)
・Sensuous City[官能都市]  – 身体で経験する都市;センシュアス・シティ・ランキング(2015)
・寛容社会 多文化共生のために<住>ができること(2017)
・住宅幸福論 Episode1 – 住まいの幸福を疑え(2018)
・住宅幸福論 Episode2 幸福の国の住まい方(2019)
・住宅幸福論 Episode3 ひとり暮らしの時代(2020)

■「地方創生のファクターX~寛容と幸福の地方論~」の概要
・A4変形版 フルカラー299ページ
・目次:
00.PROLOUGUE
 序章
Intro 室生犀星の上京 ―地方を考えるための東京論として
地方創生のファクターX
問題意識と仮説 ―不寛容な空気が地方を滅ぼす
01.INTRODUCTION

  1. 地方創生の経済学 清水千弘(日本大学教授/東京大学空間情報科学研究センター特任教授/麗澤大学都市不動産科学研究センター長)
  2. 都道府県別の基礎データ概観 橋口理文(株式会社ディ・プラス 代表取締役)吉永奈央子(フリーリサーチャー/株式会社ディ・プラス フェロー)

02.RESEARCH  
地方創生のファクターX 47 都道府県の寛容と幸福、人口移動に関する調査
橋口理文(株式会社ディ・プラス 代表取締役)
吉永奈央子(フリーリサーチャー/株式会社ディ・プラス フェロー)

  1. アンケート調査分析:属性別、都道府県別の傾向
    [寄稿]地方創生のための寛容性と幸福の分析 有馬雄祐(職業能力開発総合大学校 建築環境設備エネルギーユニット 特任助教)
  1. 47 都道府県別データ集 well-being 指標/寛容性指標/人口移動指標/住民による地域評価

03.REPORT

  1. 都市集中 再考 ― 23区女子たちの憂鬱―
    シェアとワーカブルと夜の娯楽 三浦 展(カルチャースタディーズ研究所主宰)
  1. 変わる地域と変わらない地域 ― 現場の11 人が語る地方創生の風景、その違い―
    中川寛子(株式会社 東京情報堂 代表取締役)
  1. 文化の効能 ―シビックプライド醸成が地方創生のカギとなる
    森 隆一郎(合同会社渚と 代表)

[COLUMN]
SPECIAL INTERVIEW「稼ぐまちづくり」の実践者 木下 斉氏 地方創生のファクターX を語る

04.EPILOGUE
 終章 Well-beingな地方創生を目指して..

本報告書は購読を希望される方に無料(※)で進呈いたします。
ご希望の方はLIFULL HOME'S総研のWebサイトよりお申込みください。また、同サイトにてPDF版のダウンロードも可能です。

※送料のみ着払い・宅配便にてご負担をお願いいたします。
LIFULL HOME'S総研 Webサイト:http://www.homes.co.jp/souken/

■LIFULLについて(東証第一部:2120、URL:LIFULL.com/)
LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。
現在はグループとして世界63ヶ国でサービスを提供しており、主要サービスである不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」をはじめ、空き家の再生を軸とした「LIFULL地方創生」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL介護」など、この世界の一人ひとりの暮らし・人生が安心と喜びで満たされる社会の実現を目指し、さまざまな領域に事業拡大しています。

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