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LIFULL とU3イノベーションズが、完全オフグリッド環境での生活実証施設「オフグリッド・リビングラボ八ヶ岳」を山梨県北杜市に開所、実証実験を開始

2022年02月28日

株式会社LIFULL(ライフル)と社会インフラ領域のイノベーション推進と新産業創出を目指すU3イノベーションズ合同会社(本社:千代田区、共同創業者・代表取締役:竹内純子、伊藤剛 以下、U3I)は合同で、完全オフグリッドの住環境の実現に向けた生活実証を行う施設「オフグリッド・リビングラボ八ヶ岳」をLIFULLが運営するコミュニティの一拠点「LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜」の敷地内に開所しました。「オフグリッド・リビングラボ八ヶ岳」ではLIFULL ArchiTechが開発したインスタントハウス計5棟を建設し、オフグリッドソーラーや小型淡水化装置を実装することで、最大2世帯が生活できるオフグリッド住環境の実証実験を3月1日より開始します。

 

1.背景

LIFULL とU3イノベーションズとは、エネルギーや水など既存のライフラインに依存しない完全オフグリッド環境の生活実装を目指した「リビングラボプロジェクト」を開始しました
本プロジェクトでは、自宅やオフィス等の場所に縛られないライフスタイルの実現を目的としたLivingAnywhereを実践するためのLIFULLが運営するコミュニティの一拠点「LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜」(以下、LAC八ヶ岳)をフィールドとして活用します。
エネルギーや水、廃棄物処理などのインフラ領域における自律分散型テクノロジーを集積、生活実装を進めることで、ライフラインに制約を受けない、より自由なライフスタイルと地域社会の持続可能性の実現を目指します。
2022年以降はグランピングなどレジャー市場におけるインフラとしてのサービス提供を皮切りに、将来的には、少子高齢化を背景に困難になっていく地方のライフラインを支えるサービスとして、市場規模1兆円以上のマーケットへのエントリーを想定しています。
なお、本プロジェクトの概要については、以下の動画でもご紹介しています。
https://youtu.be/1UwxwsWQZi4

 

2.「オフグリッド・リビングラボ八ヶ岳」の概要

LAC八ヶ岳の敷地内にLIFULL ArchiTechが開発したインスタントハウス計5棟を建設し、オフグリッドソーラーや小型淡水化装置を実装することで、最大2世帯が生活できるオフグリッド住環境を実現しています。5棟のうち、1棟をLDK棟としてキッチンユニットやダイニングテーブルなどを設置、2棟を住居棟としてベッドやデスクなどを設置、1棟を水回り棟としてシャワー、洗濯機、洗面台、トイレなどを設置、最後の1棟はインフラ棟として蓄電池などの電源設備と水処理設備および給湯設備を設置しています。
建物に隣接してソーラーカーポートを2棟設置、発電した電気はインフラ棟の大容量蓄電池に充電するとともに、建物内の家電・設備類に供給します。
また、建物内で利用された生活排水は、インフラ棟の水処理設備で浄化され、シャワーやキッチンなどで循環利用されます。

《オフグリッド・リビングラボ八ヶ岳外観》

《オフグリッド・リビングラボ八ヶ岳施設全体イメージ》

《オフグリッド・リビングラボ八ヶ岳内部イメージ》

  • キッチン
  • 水回り
  • 寝室・書斎

 

《主要構成要素① インスタントハウス》

インスタントハウスは、名古屋工業大学大学院工学研究科 北川啓介教授とLIFULLが建築技術開発を目的として設立した「LIFULL ArchiTech」で開発されました。ドーム型の生地を空気によって大きく膨らませて、内側からウレタン材を吹き付けます。しばらくして生地とウレタン材が一体となると、建築物ができあがります。この建築手法により、これまでに一般的とされてきた建築物に比べると、生地とウレタン材のふたつのみのシンプルな構造にも関わらず、極めて高い利便性、快適性を確保しました。さらに、形も大きさも機能も自由自在に変更でき、多様なシチュエーションに対応できます。

 

《主要構成要素② オフグリッドソーラー》

オフグリッドソーラーは、ネクストエナジー・アンド・リソース社のソーラーカーポートDulightとオフグリッドシステムにより構成されます。ソーラーカーポートは、雨や日よけの役割を担う屋根が太陽電池モジュールとなっていることで、施設内で必要な電気を生み出しながら、駐車場もしくは車中泊サイトとして土地を有効利用することができます。また、オフグリッドシステムには大容量の蓄電池が含まれており、太陽光によって発電した電気を充電することで、夜間や雨の日でも電力系統に頼ることなく電気を利用することが可能となっています。

 

 

 

 

 

 

 

《主要構成要素③ 小型淡水化装置》

生活排水については、ワイズグローバルビジョン社の小型淡水化装置「MYZシリーズ」により浄化し、施設内で循環利用します。MYZシリーズでは、従来大型だった海水淡水化装置を小型化することに成功、海水からでも真水を造ることが可能です。また、脱塩、塩分除去だけではなく、濁水なども濾過(ろ過)し、厚生労働省が定める水道法の基準値をクリアするレベルの真水に変えることが出来る造水機です。

 

 

 

3.今後の予定

2022年3月1日より「オフグリッド・リビングラボ八ヶ岳」にて実生活に基づく実証実験を開始いたします。実証実験はその後も継続しながら、得られた結果に基づく商用トライアルでさらに知見を蓄積した上で、2023年上期をめどにサービス提供を開始する予定です。
2022年3月1日       第1期実証開始
2022年6月             第1期実証結果報告および第2期実証アナウンス
2022年10月           オフグリッドサービス商用トライアルアナウンス
2022年12月           オフグリッドパートナーカンファレンス(年次イベント)開催
2023年上期           オフグリッドサービス提供開始

 

4.お問い合わせ先

本プロジェクトでは、自律分散型インフラ技術を持つテクノロジーパートナー、実証結果の商用化を目指すインフラ系などの大手企業パートナー、またオフグリッドサービスの活用意向を持つレジャーなどの事業者ならびに自治体などを募集しております。本件についてご関心やご質問などがありましたら、以下にお問い合わせください。

U3イノベーションズ合同会社 担当:川島
Web:https://u3i.jp/contact/ メール:takeshi.kawashima@u3i.jp

 

U3イノベーションズ合同会社について(URLhttps://u3i.jp

U3イノベーションズは、エネルギーを中心とする社会システム領域に特化して、スタートアップと共にイノベーション推進と新たな産業創出を目指す実践者集団です。私たちが実現したい新しい社会システム(Utility3.0)の担い手になると期待されるスタートアップに対する投資やCxOの派遣、環境エネルギーイノベーションコミュニティを通じたスタートアップ・大企業・アカデミアによるイノベーション創出、自社を中心としステークホルダーを巻き込んでの事業開発など、さまざまな手段を通じ、実践者として「一人ひとりが多様な価値を実現できる、持続可能な世界。」の実現に挑戦しています。

多様な価値観を包含する持続可能な未来を実現するため、エネルギー供給を超えた新しい社会システムであるUtility3.0というコンセプトを初めて世に示した、2017年出版の「2050年のエネルギー産業 Utility3.0へのゲームチェンジ」。この書籍の共著者である竹内純子、伊藤剛の2人により、U3イノベーションズは2018年に創設されました。