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LIFULL HOME'S総研2022年調査研究報告書「“遊び”からの地方創生~寛容と幸福の地方論Part2~」発刊。地方創生は“遊び”の力に注目し、戦略として重視すべき

2022年09月26日

<LIFULL社内シンクタンク「LIFULL HOME'S総研」2022年調査研究報告書>
昨年の調査「地方創生のファクターX」で明らかにした「寛容性」に続き、
“遊び”に注目することで見えてきた東京一極集中の要因となる地方の課題

事業を通して社会課題解決に取り組む株式会社LIFULL(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井上高志、東証プライム:2120、以下「LIFULL」)は、このたび、社内シンクタンク「LIFULL HOME'S総研」による研究報告書「“遊び”からの地方創生~寛容と幸福の地方論Part2~」を発行しました。

昨年は、地域の寛容性が人々の幸福度に大きな影響を与えていることを独自の調査や分析の結果として報告しましたが、続くPart2と題した本年の報告書では、“遊び”が、幸福度や寛容性と深い関わりがあるのではないかという仮説に基づいた調査・分析の結果、「地方創生は“遊び”の力に注目し、戦略として重視すべきだ」という結論を導き出しました。

「寛容性」と「幸福度(Well-being)」は“遊び”によって高められることや、地方における“遊び”の少なさが東京一極集中の一因となっている現実など、「もうひとつの地方創生のファクターX」としての“遊び”について、本書では各種アンケート調査結果や学術的な視点による有識者の意見、そしてすでに“遊び”からの地方創生に取り組んでいる自治体の事例紹介などを通して、理解しやすくまとめています。
※なお本報告書で言う“遊び”とは、レジャー、娯楽、趣味、芸術・創作活動などさまざまな余暇活動の遊びにとどまらず、遊びが持つ精神的・心理的な側面、すなわちマインドとしての遊び(遊び心)、また余白や隙間を意味する遊びまで包含する幅広い概念を意図しています。

 

【本研究報告書のポイント】
地方創生は「寛容性」だけではなく“遊び”の力に注目し、戦略として重視すべきである
報告書ダウンロードURL https://www.homes.co.jp/souken/report/202209/

●“遊び”は人々の幸福度と寛容度を高める
“遊び”は、人々の幸福度を高める効果を持ち、その寛容度を高める力を持つ。

●2つの力で“遊び”は、地域に多様な価値観が共存する土壌をつく
「幸福度」「寛容度」は、互いに異なる価値観による多様な幸福観が、無用な軋轢や摩擦を起こすことを緩和し、違いによって互いに排除し合うことを調停し、一つの地域で平和に共存するための社会の“遊び”をつくり出す。

“遊び”は地域の生活文化を美しく育み、その文化に共感する人を惹きつける
“遊び”が作り出した文化が、地域の人のライフスタイルを形作り、それに共感する人の移住を呼び込む流れになっている。

●“遊び”は地域のスキマに隠れた資源を発掘し、地域産業にイノベーションを起こす
地方創生では“遊び”は軽視されがちであったが、「サーフィン」の千葉県一宮町、「写真」の北海道東川町、「アート」の大分県別府市など、行政主導の動きも進み始めている。

 

■LIFULL HOME'S総研 所長 島原 万丈からのコメント
地方創生は地域の幸福度(Well-being)を目標にすべき、というのがLIFULL HOME'S総研の基本的なスタンスです。しかし幸福観は人それぞれ多様です。多様性は時に互いに矛盾し摩擦や軋轢を起こすので、Well-beingは寛容性を伴わなければなりません。これが「寛容と幸福の地方論」の基本理念です。
昨年発表した『地方創生のファクターX』では、地域社会の不寛容な空気が地方の衰退を招いていることを明らかにし、寛容性の重要性を提言しました。続編と位置づける本作では、地方創生でこれまであまり関心を持たれて来なかったレジャーや娯楽・趣味、スポーツ、文化芸術など広義での“遊び”の持つ力に着目しました。研究を通して、“遊び”が寛容度と幸福度を高めるという知見が得られました。特に、文化芸術系の遊びは寛容度に強く作用するようです。そして、“遊び”は地域への愛着と満足度を高め、人口の定着にも好影響を与えます。現状では東京を中心とする大都市圏と人口規模の小さい地方都市では“遊び”に格差があり、総じて言えば地方には“遊び”が足りないのではないかと考えられます。

株式会社LIFULL/LIFULL HOME'S総研 所長
1989年株式会社リクルート入社。2005年より リクルート住宅総研。2013年3月同社を退社後、同年7月株式会社ネクストでHOME'S総研所長に就任。他に一般社団法人リノベーション協議会設立発起人、国交省「中古住宅・リフォームトータルプラン」検討委員、リノベーション・オブ・ザ・イヤー審査委員長のほか、2022年に内閣府地方創生推進アドバイザーにも就任。LIFULLのオウンドメディア「LIFULL STORIES」では島原のインタビューを掲載中です。「決められたルールに、疑問を持っちゃいけない、なんてない」https://media.lifull.com/stories/2019051650/

▼これまでの報告書 ()内は発行年
・STOCK & RENOVATION 2014(2014)
・Sensuous City[官能都市]  – 身体で経験する都市;センシュアス・シティ・ランキング(2015)
・寛容社会 多文化共生のために<住>ができること(2017)
・住宅幸福論 Episode1 – 住まいの幸福を疑え(2018)
・住宅幸福論 Episode2 幸福の国の住まい方(2019)
・住宅幸福論 Episode3 ひとり暮らしの時代(2020)
・地方創生のファクターX~寛容と幸福の地方論~(2021)

 

■「“遊び”からの地方創生~寛容と幸福の地方論Part2~」の概要
・A4変形版 フルカラー256ページ
・目次:
0 .PROLOGUE 序章
Intro三浦展と山内マリコ いま、あらためて読むファスト風土論
本研究の問題意識と仮説 地方創生には“遊び”が必要だ
島原 万丈(LIFULL HOME'S 総研 所長)

1.INTRODUCTION
1. 遊びの自由──距離化の運動と管理社会批判
渡會知子(横浜市立大学都市社会文化研究科准教授)
2. 幸せの場所と時間
清水千弘(一橋大学ソーシャル・データサイエンス教育研究推進センター教授)
3.[外部統計レポート]
「社会生活基本調査」にみる遊びの実態
橋口 理文(株式会社 ディ・プラス 代表取締役) 吉永奈央子(フリーリサーチャー/株式会社ディ・プラス フェロー)

2.RESEARCH LIFFUL HOME'S 総研 「遊び」と幸福・寛容に関する調査
[アンケート調査分析①]
「遊び」と幸福・寛容に関する調査
橋口 理文(株式会社 ディ・プラス 代表取締役) 吉永奈央子(フリーリサーチャー/株式会社ディ・プラス フェロー)
[アンケート調査分析②]
「遊び」から見るその人の幸せと寛容さ
有馬雄祐(九州大学大学院人間環境学研究院都市・建築学部門助教)

3.REPORT & DISCUSSION
1. 自治体、企業、個人が語る“楽しい遊び方 ” 「遊び」は地域を変えるか
中川寛子(株式会社東京情報堂 代表取締役)
2. 別府におけるアートプロジェクトの取り組み ̶̶ 夜になっても遊びつづけろ
中嶋 文香(株式会社丹青社)
3. 娯楽は命の次に大事なものである ~反・ヴァーチャルファスト風土論序説
三浦 展(カルチャースタディーズ研究所主宰)

4.EPILOGUE 終章 
NO PLAY, NO LIFE
島原 万丈(LIFULL HOME'S 総研 所長)

本報告書は購読を希望される方に無料(※)で進呈いたします。
ご希望の方はLIFULL HOME'S総研のWebサイトよりお申込みください。また、同サイトにてPDF版のダウンロードも可能です。
※送料のみ着払い・宅配便にてご負担をお願いいたします。
LIFULL HOME'S総研 Webサイト:http://www.homes.co.jp/souken/

 

■株式会社LIFULLについて(東証プライム:2120、URL:LIFULL.com/)
LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。
現在はグループとして世界63ヶ国でサービスを提供しており、主要サービスである不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」をはじめ、空き家の再生を軸とした「LIFULL地方創生」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL介護」など、この世界の一人ひとりの暮らし・人生が安心と喜びで満たされる社会の実現を目指し、さまざまな領域に事業拡大しています。