2023.04.18
住まい探しに困難を抱える「住宅弱者」問題の解決を目指す LIFULL HOME'Sの取り組み「FRIENDLY DOOR」 【家族に頼れない若者】【フリーランス】を対象カテゴリーに追加
事業を通して社会課題解決に取り組む、株式会社LIFULL(ライフル)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井上高志、東証プライム:2120、以下「LIFULL」)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)」は、あらゆる人の“したい暮らし”の実現を目指す「LIFULL HOME'S ACTION FOR ALL」に取り組んでいます。
その取り組みのひとつである、住まい探しに困難を抱える「住宅弱者」に対して、親身になって住まい探しの相談に応じる不動産会社を検索できるサービス「FRIENDLY DOOR」に、2023年4月17日(月)から「家族に頼れない若者」と「フリーランス」を対象カテゴリーとして追加しました。これにより対象カテゴリーは「外国籍」「LGBTQ」「生活保護利用者」「高齢者」「シングルマザー・シングルファザー」「被災者」「障害者」の7カテゴリーから9カテゴリーとなりました。
「FRIENDLY DOOR」URL:https://actionforall.homes.co.jp/friendlydoor
■ 対象カテゴリー追加の背景
現代社会においては、個々に様々な事情やバックグラウンドを抱えている方がおり、当事者にしか知られていない課題も多くあります。「FRIENDLY DOOR」では、誰もが自分らしく“したい暮らし”を叶えられる社会の実現を目指し、平等に住まいを選ぶことができる権利「ハウジングイコーリティ」を社会全体で実現していくため、2つのカテゴリーを新たに追加しました。
「家族に頼れない若者」
厚生労働省の発表※では、保護者のない児童、虐待を受けた児童など、社会的養護が必要な「要保護児童」は2020年時点で約4万2千人いるとしています。また、15~25歳の若者を支援するNPO法人「サンカクシャ」代表理事の荒井佑介氏によれば、社会的養護の対象となる(だった)若者は、保護者や身近な大人を頼ることが難しく、また、学校や社会に馴染めずに孤立してしまうケースもあり、「実家を出たいが金銭的に難しい」「職場を解雇されて住む場所がない」といった、生活基盤である「住環境」に関する相談が多く寄せられているといいます。今回の対象カテゴリー追加においては、10代~20代の方の利用を想定しています。
※ 厚生労働省「令和4年度 社会的養育の推進に向けて」(5ページ参照)
「フリーランス」
近年、働き方の多様化やIT技術の発展、コロナ禍などで、企業や団体に所属せずに働く「フリーランス」が増加しています。ランサーズの発表※1では、2021年時点でフリーランス人口は1,577万人で、2015年と比較すると約68%も増加しており、今後も増加していく可能性があります。
一方、住まい探しにおいてフリーランスは、収入の安定性に対して物件オーナーや金融機関から懸念を持たれるケースがあり、正規雇用の会社員に比べ「賃貸物件を借りにくい」「住宅ローンの審査に通りにくい」という現状があります※2。そのような状況もあり、当事者の中には、「住み替え自体をやめてしまった」※3という方もいます。
※1 ランサーズ株式会社「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」
※2 LIFULL HOME`S 住まいのお役立ち情報「フリーランスが賃貸物件を借りるのは難しい」は本当? 入居審査を解説
※3 協力:ミルトーク
■「FRIENDLY DOOR」事業責任者 龔 軼群(キョウ イグン)のコメント
自分自身が取り組む活動の中で、出会った1人ひとりの当事者や支援者の声から、家族に頼れない若者たち、フリーランスの方々の住まい探しの課題を感じ、カテゴリーを追加しようと決めました。
「家族に頼れない若者」カテゴリーの追加に際しては、私が代表を務める認定NPO法人Living in Peaceで取り組む、社会的養護の子どもたちの支援活動や子どもシェルター等の支援者の声から追加した経緯があります。
「児童養護施設を出た後、親や家族に頼ることができなかったので保証人が立てられず、家探しに苦労した。当時未成年だったので、保証会社も審査が通らなかった」「若者が自立援助ホームを出る際に、なかなか協力してくれる不動産会社が見つからない」そんな声をたくさん聞くなかで必要性を強く認識し、これからの社会を担っていく若者たちの生活の基盤を守っていくことが企業の社会的責任だと捉えています。
「フリーランス」カテゴリーの追加については、「FRIENDLY DOOR」に関するメディア取材の中で、様々な記者やライター、カメラマンの方々から「収入に関わらず、フリーランスということだけで入居審査に通らない」というリアルな声を聞き、はじめて課題感を認識しました。コロナ禍でリモートワークが広がり、フリーランスで働く方々が増えているなかで、入居審査の判断項目において「勤務先」を重視している現状は、時代に逆行しているのではないでしょうか。
人口が減少し、空室率が上がり続けている状況の中で、これからの社会を担う若者の暮らしを守っていくこと、そして働き方の多様性を味方につけること、そういった取り組みが多くの人々の賛同を得て、企業としてもビジネスとしても選ばれ続けていくのではないか、そしてより良い社会に繋がっていくのではないかと考えています。
■ 15~25歳の若者を支援するNPO法人「サンカクシャ」代表理事 荒井佑介氏のコメント
「子どもの貧困」などの言葉の広がりとともに、子どもや若者に居場所が必要だという認識は広がっているように感じます。しかしここ最近、居場所がないというだけではなく、生きていく上で欠かせない「住まい」すら失ってしまう若者が増えています。若者は年齢的にも「自己責任」という言葉で片付けられてしまうことが多く、支援は必要ないのではないかという声もありますが、10代20代で、親の援助もなく、家を借り、学業や仕事に取り組むことは、あまりに大変だということを多くの人に知ってもらえたらと思っています。
今回、「家族に頼れない若者」が対象カテゴリーに追加されるということで、若者を取り巻く現状や課題を多くの人にまず知ってもらう機会になれば嬉しいです。親の援助がない若者は1人で生きていかなければいけない、そんな社会ではなく、困っている若者がいたらみんなで手を差し伸べる社会でありたいと私は思います。
今回のカテゴリー追加に伴い、不動産会社、NPO、地域、企業、行政などが連携して、みんなで若者の住まいを支えていく動きに発展していくことを願っています。
■「FRIENDLY DOOR」について(URL:https://actionforall.homes.co.jp/friendlydoor)
高齢者、外国籍、LGBTQ、生活保護利用者、シングルマザー・ファザー、被災者、障害者、家族に頼れない若者、フリーランスなど、さまざまなバックグラウンドで住まい探しに困難を抱える方々に対し、親身になって住まい探しの相談に応じる不動産会社を検索できるサービスです。現在、全国4500以上の賛同店舗を掲載しています。(2023年4月時点)
※「障害者」の表記について
当事者の方からのヒアリングを行う中で、「自身が持つ障害により社会参加の制限等を受けているので、『障がい者』とにごすのでなく『障害者』と表記してほしい」という要望をいただきました。当事者の方々の思いに寄り添うとともに、当事者の方の社会参加を阻む様々な障害に真摯に向き合い、解決していくことを目指して、「FRIENDLY DOOR」サイトの検索カテゴリー、および接客チェックリストでは「障害者」という表記を使用しています。
■ LIFULL HOME'S について(URL:https://www.homes.co.jp/)
LIFULL HOME'Sは、「叶えたい!が見えてくる。」をコンセプトに掲げる不動産・住宅情報サービスです。賃貸、一戸建て・マンションの購入、注文住宅から住まいの売却まで。物件や住まい探しに役立つ情報を、一人ひとりに寄り添い最適な形で提供することで、本当に叶えたい希望に気づき、新たな暮らしの可能性を広げるお手伝いをします。
日本最大級の不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S(ライフル ホームズ)」
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■ 株式会社LIFULLについて (東証プライム:2120、URL:https://lifull.com/)
LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。現在はグループとして世界63ヶ国でサービスを提供しており、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」、空き家の再生を軸とした「LIFULL 地方創生」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」など、この世界の一人ひとりの暮らし・人生が安心と喜びで満たされる社会の実現を目指し、さまざまな領域に事業拡大しています。
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