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2025.06.18

LIFULL senior リサーチ

LIFULL 介護が高齢の親と、親と離れて暮らす子を対象に 熱中症予防に対する意識調査を実施

事業を通して社会課題解決に取り組む株式会社LIFULLのグループ会社である株式会社LIFULL senior(代表取締役:泉 雅人)が運営する業界最大級の老人ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL 介護」は、熱中症の危険性が高まる時期に向けて、65歳以上の高齢者と、親と離れて暮らす40~50代を対象に、熱中症予防に対する意識調査を実施し、その結果を発表します。

調査の背景

例年、蒸し暑さが増す6月末から7月頭の時期に急激に熱中症になる方が増えています。総務省による令和6年の調査では6月24日週から7月1日週にかけて熱中症で救急搬送された人の数はおよそ4倍に急増していました。(※1)また、救急搬送された方の中で特に多いのは高齢者で、全体のおよそ6割を占めています。(※2)

熱中症予防においてはエアコンの適切な利用が重要ですが、昨今の物価高騰の影響により、水道光熱費を抑えようとエアコンの利用控えが起こる恐れがあります。そんな中、今年は経産省が、電力使用量が増加する7月から9月にかけて、電気・ガス料金の負担軽減措置をとると発表しました。(※3)また東京都でも夏季の4ヶ月間水道料金の基本料金が無償化されます。(※4)

LIFULL 介護では老人ホーム探しをお電話でサポートする「LIFULL 介護入居相談室」というサービスがありますが、高齢のご家族の熱中症リスクに備えるために、「夏の時期だけショートステイを利用したい」というご相談をいただくこともしばしばあります。

そこで今回は、65歳以上の高齢者ご本人(=親世代)と、高齢の親と離れて暮らす40、50代の子世代の方々にそれぞれ、熱中症予防への意識を伺うアンケートを実施しました。

※1、2 総務省 令和6年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況

https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/items/r6/heatstroke_nenpou_r6.pdf

※3 経済産業省 電気・ガス料金支援

https://denkigas-gekihenkanwa.go.jp/

※4 東京都水道局 報道発表

https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/information/press/r7/06/2025060601

調査結果サマリー 

8割以上の高齢者が熱中症にならないよう気をつけている。また、子世代の6割以上も離れて暮らす親の熱中症が心配

子世代が親の熱中症を心配する理由の3割が「親がエアコンを使っていない」。一方で親世代は「エアコンを使用している」と約8割が回答。ギャップの原因は使用タイミングの認識か

電気、ガス、水道の負担軽減措置は「エアコンを積極的に利用する理由になっている」と答えた人が42%。ニュースを知らなかった人は6%にとどまる

子世代が実施する”離れて暮らす親の熱中症予防”、最多は「水分をとるよう声がけ」。「定期的な連絡」も4割が実施。

8割以上の高齢者が熱中症にならないよう気をつけている。また、子世代の6割以上も離れて暮らす親の熱中症が心配

65歳以上の親世代に熱中症にどの程度気をつけているかを尋ねたところ、「非常に気をつけている」(20.0%)、「ある程度気をつけている」(65.1%)を合計して85.1%の方が熱中症予防に気をつけていることがわかりました。

また、その子世代にも離れて暮らす親の熱中症をどの程度心配しているか聞いたところ「非常に心配している」(15.1%)、「ある程度心配している」(49.5%)を合計して64.6%の方が心配していると回答していました。

親世代が自身の熱中症に対して気をつけているのと同様に、離れて暮らす子世代もまた親が熱中症にかかってしまうのではと心配していることがわかる結果となりました。

子世代が親の熱中症を心配する理由の3割が「親がエアコンを使っていない」。一方で親世代は「エアコンを使用している」と約8割が回答。ギャップの原因は使用タイミングの認識か

子世代に「親の熱中症を心配する理由」を聞いたところ、最も多かったのは「高齢者は熱中症になりやすいから」(66.2%)でした。高齢になると暑さや喉の渇きを感じる機能や体温調節の機能が衰えるため(※5)、子世代としても親の熱中症のなりやすさを心配していると考えられます。また「親がエアコンを使っていないから」(29.9%)も3割近く回答を集め、第2位となりました。

※5 熱中症ゼロへ 「熱中症、こんな人は特に注意!」

https://www.netsuzero.jp/learning/le05

しかし、65歳以上の親世代に例年の夏時期のエアコンの使用状況を尋ねたところ、最も多かった回答は「暑いと感じた時にすぐ使用している」(42.9%)でした。「ほとんど一日中使用している」(24.5%)、「暑いと感じた時にすぐ使用している」(42.9%)、「昼間だけ、夜間だけなど時間を決め使用している」(12.2%)を合わせると79.6%と約8割にのぼり、「なるべく使用しないようにしている」(13.5%)、「使用していない」(2.8%)など使用に消極的な回答は少数にとどまりました。

高齢の親世代と子世代で、エアコン使用状況の認識にギャップが生じてしまうのは、高齢者の暑さを感じる身体機能の衰えが要因として考えられます。子世代が暑いと感じるタイミングでも、親世代は暑さを感じる身体機能の衰えによってエアコンの使用タイミングが遅れている可能性があります。親世代は「暑いと感じたら」と、適切なタイミングでエアコンを使っているつもりでも、子世代が帰省して生活を共にしてみると、エアコンの使用頻度が足りないと感じるのかもしれません。

電気、ガス、水道の負担軽減措置は「エアコンを積極的に利用する理由になっている」と答えた人が42%。ニュースを知らなかった人は6%にとどまる

親世代でエアコンをお持ちの方に今年のエアコン使用予定を聞いたところ、10.0%の方が例年よりも積極的に使用したいと回答しました。

今年は経産省から夏季の電気、ガス料金の負担軽減措置が発表され、東京都でも夏季の4ヶ月間水道の基本料金が無償化されます。こうした政策がエアコンの積極的な使用をどの程度後押ししているかを、「例年よりもエアコンを積極的に利用したい」と答えた方に尋ねたところ、エアコンを積極的に使用する「理由になっている」(22.0%)、「どちらかと言えば理由になっている」(20.0%)を合計して4割を超える人がエネルギー負担軽減政策によってエアコンの使用を積極的にしようと考えたことがわかりました。これらの負担軽減措置を知らなかった人は6.0%にとどまりました。

一方で「今年のエアコン使用を例年より控えたい」と回答した人にその理由を聞いたところ、最も多かった回答は「物価高などの影響で生活費がかかりすぎているため」(58.1%)で、やはり物価高騰による生活費の圧迫が、熱中症予防にも大きな影響を与えていることがわかります。

子世代が実施する”離れて暮らす親の熱中症予防”、最多は「水分をとるよう声がけ」。「定期的な連絡」も4割が実施。

子世代に、離れて暮らす親への熱中症予防で実施していることを聞いたところ、最も多かったのは「水分をこまめにとるよう声をかけている」(55.9%)、次いで「エアコンを適切に使うよう声をかけている」(53.5%)でした。

気象庁と環境省では、その日の暑さ指数から熱中症への対策を呼びかける「熱中症警戒アラート」を運用しています。2024年からはさらに一段上の警戒を求める「熱中症特別警戒アラート」の運用も始まっています。これらの発信を気にかけ、親に伝えることで熱中症予防の適切な行動が取れますが、「天気予報を見て気温や熱中症リスクを伝えている」と回答した人は17.3%と2割以下にとどまりました。

親世代が自身で熱中症予防で行っていることも聞いてみたところ、最も多かったのは「喉が乾く前にこまめに水分補給」(77.2%)でした。「熱中症警戒アラートを確認する」(17.0%)は子世代同様少数派にとどまり、やはりご家族から熱中症警戒アラートが出ていることを知らせる必要性が浮かび上がりました。

離れて暮らす親の熱中症予防、見守りデバイスの活用や”仕組み化”が鍵。老人ホームのショートステイも検討を

LIFULL 介護編集長 小菅秀樹コメント

 

年々、夏の暑さが厳しさを増すなか、熱中症は決して他人事ではありません。

とりわけ高齢者が熱中症にかかると、重篤な症状につながることもあり、日常の中でのリスク管理がますます重要になっています。

今回の調査では、8割以上の高齢者が「熱中症予防に気をつけている」と回答しており、その意識の高さがうかがえます。しかし、注意していても完全に防げるわけではありません。特に要介護の状態にある方や、認知機能が低下している方の場合は、エアコンがあってもリモコンの操作が難しく、冷房をつけずに過ごしてしまうケースも少なくありません。

そんなときに頼りになるのが、IoT機器や見守りデバイスです。室温の異常を家族に通知する機能や、Wi-Fi対応のエアコンを活用すれば、離れて暮らす家族が遠隔で室温を調整することも可能です。

加えて、水分補給も重要な対策のひとつ。独居高齢者は「のどが渇かないから」と水を飲まない方も多く、知らず知らずのうちに脱水が進行してしまうことがあります。そこで、「決まった時間に飲む」「目に見える場所に水を置く」「好みの味の飲料を常備する」といった“仕組み”をつくることが、熱中症予防につながります。

また、夏の期間だけ老人ホームのショートステイを利用するという選択肢もあります。快適な空間で、スタッフによる見守りや水分・食事の管理が受けられるため、安心して過ごせます。施設によっては、数日から一ヶ月単位で利用できるプランが用意されており、「毎年夏だけ利用する」というケースも増えています。

無理をせず、家族の知恵や支援、サービスを上手に取り入れること。それが、夏の健康的な過ごし方につながります。「何かが起きてから」ではなく、「何も起きないために」。そんな視点で、今年の猛暑に向き合っていきましょう。

調査概要

調査期間:2025年6月2日〜6日 

調査主体:株式会社LIFULL senior

調査対象:65歳以上の男女539名、親と離れて暮らす40代・50代の男女550名

調査方法:インターネット調査

小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。


株式会社LIFULL senior について

「老後の不安をゼロにする」をビジョンに掲げ、ヒトとテクノロジーの力で、超高齢社会の課題を解決するさまざまな事業を展開しています。主な事業として、老人ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL 介護」、遺品整理業者検索サービス「みんなの遺品整理」、介護施設向け買い物代行業務支援サービス「買い物コネクト」があり、今後も高齢者や関わる人々が抱える不安や課題に向き合って事業を拡大していきます。

株式会社LIFULL senior 概要

会社名:株式会社LIFULL senior(ライフル シニア)

所在地:東京都千代田区麹町1丁目4−4

代表取締役:泉 雅人

設立:2015年7月1日

事業内容:

老人ホーム検索サイト『LIFULL 介護』の運営

https://kaigo.homes.co.jp/

遺品整理業者検索サイト『みんなの遺品整理』の運営

https://m-ihinseiri.jp/

介護施設向け買い物代行支援サービス『買い物コネクト』の運営

https://lp.kaimonoc.jp/

自治体向け買い物弱者支援ツール『買い物コネクト』の運営

https://lp-g.kaimonoc.jp/

介護当事者一歩手前の世代に向け、介護や老後に関する最新情報や体験談を発信するウェブメディア『tayorini』(たよりに)の運営

https://kaigo.homes.co.jp/tayorini/

株式会社LIFULLについて (東証プライム:2120、URL:https://lifull.com/

LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。現在はグループとして、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」、空き家の再生を軸とした「LIFULL 地方創生」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」など、この世界の一人ひとりの暮らし・人生が安心と喜びで満たされる社会の実現を目指し、さまざまな領域に事業拡大しています。

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