2025.08.14
「親の生前整理・片付けを手伝いたい」子は8割の一方で「手伝って欲しくない」親は6割。LIFULL 介護が親世代・子世代を対象に「生前整理・片付けに対する意識調査」を実施
事業を通して社会課題解決に取り組む株式会社LIFULLのグループ会社である株式会社LIFULL senior(代表取締役:泉 雅人)が運営する業界最大級の老人ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL 介護」は、お盆の帰省を経て実家の片付けに関心が高まることを受け、実家の生前整理・片付けに関する65歳以上の親世代と、その子世代の意識調査の結果を発表します。
お盆の帰省で見えてくる介護や片付けの必要性
例年、老人ホームへのお問い合わせはお盆明けに増加する傾向にあります。お盆明けは、実家への帰省で親の体調などの変化に気づき、今後の親の暮らしや介護、終活に関心が高まる時期です。
親の暮らしぶりを見ていて、家がもので溢れていることが気になる方も少なくないでしょう。高齢の方が暮らす家が物で溢れている場合、転倒のリスクや災害時の倒壊リスクがあります。また持ち主だった親自身が要介護状態になる、あるいは逝去した場合、遺された家族が片付けを担うことになります。生前整理・片付けの問題は親が元気なうちに相談しておいた方が良いものですが、離れて暮らしていると親子で問題意識を共有しづらいものです。実際に過去のLIFULL seniorの調査(※1)では、親の逝去に伴った遺品整理を経験した方の6割が、生前の親と家の片付けに関するコミュニケーションを取った際に何らかの困難を感じたと回答しています。
そこで今回は、離れて暮らす高齢の親を持つ40代、50代の子世代と、持ち家に居住し、離れて暮らす子を持つ65歳以上の親世代それぞれに、片付けや生前整理に関して意識調査を実施し、両者の意識のギャップに注目しました。
※1遺品整理経験者の6割以上が生前の親とのコミュニケーションに困難あり!急逝による対話不足も浮き彫りに
調査サマリー
- 自宅に生前整理・片付けが必要だと思う親世代は約8割。子世代も約7割が必要だと感じている
- 子世代の約8割は「親の自宅の生前整理・片付けを手伝いたい」。一方で、親世代の約6割は「手伝ってほしくない」。理由最多は「自分が判断することだから」
- 片付けが必要だと感じる親世代のおよそ半数は「着手していない」。理由の上位は「まだ先だと感じる」「何から手をつけていいかわからない」
自宅に生前整理・片付けが必要だと思う親世代は約8割。子世代も約7割が必要だと感じている
自身の家に、生前整理・片付けが必要かどうかを親世代に聞いて見たところ、「思う」(44.9%)と「やや思う」(34.1%)を合計して79%、およそ8割の人が必要だと考えている結果となりました。
子世代にも、親が住む実家に生前整理・片付けが必要だと思うかを聞いてみたところ「思う」(33.8%)、「やや思う」(33.8%)を合計し67.6%と約7割が必要性を感じているという結果になりました。親子で共通して多くの人が家の片付けの必要性を実感していることがわかります。
また、子世代では生前整理・片付けが必要かどうか以前に「実家の状況をよく知らない」という回答も6.9%ありました。離れて暮らしていると、親子のコミュニケーションも不足し、全く実家の状況を把握できていないというケースも珍しくはないことがわかります。
子世代の約8割は「親の自宅の生前整理・片付けを手伝いたい」。一方で、親世代の約6割は「手伝ってほしくない」。理由最多は「自分が判断することだから」
子世代に、親の生前整理・片付けを手伝いたいかを尋ねたところ「思う」(31.9%)「どちらかといえば思う」(43.2%)を合計して75.1%、およそ8割の人が手伝うことに前向きという結果になりました。子世代が親の片付けに意欲的なのは、親が片付けられなくなった時、多くの場合は子が片付けの当事者になることを見越しているためだと考えられます。また、物が溢れることで転倒リスクや災害時のリスクがあるなど、親の生活の不便さを解消したいという意図もあるでしょう。
しかし、親世代に自身の生前整理・片付けを子供に手伝って欲しいかどうか尋ねたところ「どちらかといえば手伝って欲しくない」(33.3%)、「手伝って欲しくない」(26.3%)を合計し59.6%とおよそ6割が子供に手伝って欲しくないと回答していました。
子供に家の生前整理・片付けを「手伝って欲しくない」、「どちらかと言えば手伝って欲しくない」と回答した人にその理由を尋ねたところ、最も多かったのは「自分が判断することだから」(75.3%)でした。次いで「子供に迷惑をかけたくないから」(41.2%)となっています。
親世代としては、所有品の要不要を判断することは当事者として自身が行うべきことであり、子の手を借りるべきではないことと考えている傾向がありそうです。
親が自身の問題として抱え込む状態が続いてしまうと、結果として、親が元気なうちに片付けを行う機会を逃してしまうことが予想されます。子としては、親の判断を尊重しながら、親一人では実施できないこと、例えば重いものを運ぶなどの場面で「手伝おうか?」と声をかけられると、親も子供からの手助けを受け入れやすいでしょう。
片付けが必要だと感じる親世代のおよそ半数は「着手していない」。理由の上位は「まだ先だと感じる」「何から手をつけていいかわからない」
生前整理・片付けをどの程度進めているかを親世代に聞いてみたところ、「夫婦、親子で片付けを進めている」(14.6%)、「自身だけで片付けを進めている」(26.2%)、「子や家族が進めているが自分は関与していない」(0.5%)を合わせて、実際に片付けをしている人は41.3%と4割にとどまることがわかりました。一方で47.9%とおよそ半数の方が「着手したいと思っているが何もしていない」と回答していました。
また、「生前整理・片付けに着手したいと思っているが何もしていない」と回答した人に理由を尋ねたところ最も多かったのは「まだ先だと感じる」(49.8%)でした。次いで「何から手をつけていいか分からない」(44.8%)、「体力や気力がない」(29.1%)という結果でした。
何かあった時の備えを「まだ早い」と先送りにする人は少なくありません。しかし生前整理や片付けは、本人が体調を崩し、本格的に必要になった時にはすでに体力などの問題で、より実施が困難になっていくものです。
こうした状況を進めるには、子供など他者からの声がけが重要になってきます。近年、著名人の生前整理に関する報道もあるので、「まだ先だ」と考える親には、そうした話題を引き合いに出しつつ片付けや生前整理に関心を持ってもらうのも手です。
さらに子世代で、親の自宅に生前整理・片付けが必要だと考えている人にも、実施する上での不安を聞きました。最も多かったものは「何から手をつけていいかわからない」(47.2%)で、「気力・体力的に負担が大きそう」(42.9%)も上位となっており、親世代が生前整理・片付けに着手できない理由と共通していることがわかります。
「何から始めればいいかわからない」場合は、まず家の中の物量を大まかに把握することが最初のステップになりうるでしょう。把握ができたら、物の大まかな種別ごとに、廃棄か売却かなど処分方法を検討すると良いでしょう。検討を行うだけでもその後の作業がスムーズです。作業の全体像が見えれば、優先順位や進め方が具体化します。また、お住まいの近くにどのような片付け業者があるのか情報を収集しておくことも生前整理・片付けを進める上で有用です。
LIFULL 介護編集長小菅秀樹のコメント
自分のことは自分で決めたいという親、日頃のコミュニケーションが鍵になる
今回の調査では、親の生前整理について「手伝いたい」という子世代が8割に上った一方で、親世代は「子に手伝ってほしくない」という声が多数派でした。親は「迷惑をかけたくない」という思いから、片付けや生前整理を“自分の問題”として抱え込む傾向が浮かび上がります。
帰省のタイミングで親に、「家のなかを片付けたほうがいい」と伝えても、反発された経験がある方も多いのではないでしょうか。日頃あまり連絡を取らない子どもが、久しぶりに帰省して耳の痛い話だけをして帰る。これでは親が受け入れにくいのも当然です。ポイントは、帰省時だけでない日常的なコミュニケーションです。日ごろから体調や暮らしを気遣うやり取りを重ねることで、やがて片付けや生前整理の相談にも耳を傾けてもらいやすくなります。
関連するLIFULL seniorのサービス
遺品のみならず、生前整理・片付け業者を比較検索できるサービスです。「遺品整理士」の資格を発行する遺品整理士認定協会と提携し、加盟審査を突破した優良業者のみを掲載しています。安心できる全国891社からエリアや依頼内容で選ぶことができ、複数社から見積もりをもらうことも可能です。
生前整理について何から手をつけていいかわからない場合、まずは見積もりをとってみることもおすすめです。
入居条件や予算に合わせて介護施設を検索できるサービスです。近年は介護状態になってから入居するのではなく、安心を求めてお元気なうちにご自宅から住み替えるための高齢者向け住宅もあり、そうした物件も豊富に掲載しています。住み替えという切り口から、自宅の整理を考えることもできるため、着手を先延ばしにしている場合は一度高齢者住宅について検索してみることもおすすめです。
調査概要
調査期間:
スクリーニング調査 2025年8月6日〜7日
本調査 2025年8月7日〜8日
調査対象:
親世代-持ち家に居住し子供と別居している65歳以上の男女 537人
子世代- 親と別居している40代、50代の男女 477人
調査主体:株式会社LIFULL senior
調査手法:インターネット調査
株式会社LIFULL senior について
「老後の不安をゼロにする」をビジョンに掲げ、ヒトとテクノロジーの力で、超高齢社会の課題を解決するさまざまな事業を展開しています。主な事業として、老人ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL 介護」、遺品整理業者検索サービス「みんなの遺品整理」、介護施設向け買い物代行業務支援サービス「買い物コネクト」があり、今後も高齢者や関わる人々が抱える不安や課題に向き合って事業を拡大していきます。
株式会社LIFULL senior 概要
会社名:株式会社LIFULL senior(ライフル シニア)
所在地:東京都千代田区麹町1丁目4−4
代表取締役:泉 雅人
設立:2015年7月1日
事業内容:
老人ホーム検索サイト『LIFULL 介護』の運営
https://kaigo.homes.co.jp/
遺品整理業者検索サイト『みんなの遺品整理』の運営
https://m-ihinseiri.jp/
介護施設向け買い物代行支援サービス『買い物コネクト』の運営
https://lp.kaimonoc.jp/
自治体向け買い物弱者支援ツール『買い物コネクト』の運営
https://lp-g.kaimonoc.jp/
介護当事者一歩手前の世代に向け、介護や老後に関する最新情報や体験談を発信するウェブメディア『tayorini』(たよりに)の運営
https://kaigo.homes.co.jp/tayorini/
株式会社LIFULLについて (東証プライム:2120、URL:https://lifull.com/)
LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。現在はグループとして、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」、空き家の再生を軸とした「LIFULL 地方創生」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」など、この世界の一人ひとりの暮らし・人生が安心と喜びで満たされる社会の実現を目指し、さまざまな領域に事業拡大しています。