2025.09.11
東京23区の高級賃貸物件分布エリアシェアをLIFULL HOME'Sが調査
賃料上位1%のボーダーラインは、
シングル向け物件で264,000円以上、ファミリー向け物件では700,000円以上に
事業を通して社会課題解決に取り組む、株式会社LIFULL(ライフル)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:伊東祐司、東証プライム:2120、以下「LIFULL」)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)」は、東京23区の賃料上位1%の水準と分布エリアについて調査しました。
賃料上昇で高級賃貸の基準に変化も?東京23区の賃料上位1%を調査
近年、都心へのシングル層の人口流入が増加傾向にあることに加え、中古マンションの価格高騰等の影響もあり、特に都心部や人気エリアを中心に賃料は上昇傾向にあります。これにより、これまで高級賃貸物件とされていた賃料の水準にも変化が生じています。そこで、東京23区の賃貸物件の中で、上位1%となる賃料の物件を高級賃貸と定義しそれらの物件がどのエリアに集中しているのか調査しました。
【TOPICS】
- 東京23区の賃料上位1%のボーダーラインが年々上昇
シングル向け物件で264,000円以上、ファミリー向け物件では700,000円以上に - ファミリー向け物件の賃料上位1%の平均賃料は23区全体の平均賃料の約8倍
- 高級賃貸物件が最も多いエリアはシングル向け・ファミリー向け共に港区 ファミリー向けでは半数を占める
- 高級賃貸が多い駅ランキング シングル向け物件では「麻布十番」(6%)ファミリー向け物件では「六本木一丁目」(10.1%)がトップに
東京23区の賃料上位1%のボーダーラインが年々上昇
シングル向け物件で264,000円以上、ファミリー向け物件では700,000円以上に
23区の賃料上位1%のボーダーラインとなる金額の推移を調査したところ、シングル向け物件では2015年は199,000円と20万円を切っていましたが、2025年には264,000円となり、10年で約1.3倍となっています。ファミリー向け物件では、2015年は386,000円でしたが2025年には700,000円と約1.8倍となり、10年で314,000円も上昇しています。
ファミリー向け物件の賃料上位1%の平均賃料は23区全体の平均賃料の約5.8倍
23区の賃料上位1%の物件の平均賃料と23区全体の平均賃料とを比較したところ、賃料上位1%の物件の平均賃料は2025年はシングル向き物件で23区平均賃料の約3.2倍、ファミリー向け物件では23区平均賃料の約5.8倍となりました。10年前の2015年時点ではシングル向き物件で約2.8倍、ファミリー向け物件で約5.1倍であったことと比べると、23区全体の平均賃料と上位1%の物件の平均賃料との差が広がっていることがうかがえます。
高級賃貸物件が最も多いエリアはシングル向け・ファミリー向け共に「港区」
ファミリー向けでは半数を占める
23区の賃料上位1%にあたる賃貸物件がどの区に多くあるのかをみたところ、シングル向け物件・ファミリー向け物件共に港区、渋谷区、新宿区の順で多い結果となりました。ファミリー向け物件では港区だけで51.5%と半数を占めています。この3区の合計だけでシングル向け物件では約65%、ファミリー向け物件では約80%を占めており、高級賃貸物件が一部のエリアに集中していることがうかがえます。
高級賃貸が多い駅ランキング シングル向け物件では「麻布十番」(5.6%)
ファミリー向け物件では「六本木一丁目」(10.1%)がトップに
23区の賃料上位1%にあたる賃貸物件の分布割合を最寄り駅別にランキング化したところ、シングル向け物件では「麻布十番」(5.6%)、ファミリー向け物件では「六本木一丁目」(10.1%)がトップとなりました。
また、各駅の2025年に掲載された物件の最高賃料を見てみたところ、シングル向け物件1位の麻布十番では1,120,000円と100万円を超える高級物件が掲載されていることが明らかになりました。ファミリー向け物件では、上位の約半数が200万円を超える結果となりました。
都内の高級賃貸物件は都心~城南・城西に“偏在” 平均賃料は100万円超
―LIFULL HOME'S総研 チーフアナリスト中山登志朗(なかやま としあき)のコメント
消費者物価指数の上昇、人件費の高騰、円安などが重なり合い、東京都内の賃貸物件の賃料および物件価格は2024年以降、大幅な上昇を記録しています。
今回、東京23区内に所在する高級賃貸物件=賃料の上位1パーセンタイル以内の物件について、賃料動向や物件供給シェアなど市場動向を数量化したところ、高級物件であればあるほど賃料の伸びが著しいことが明らかになりました。今から10年前の2015年にはシングル向け高級賃貸物件の平均賃料は月額247,559円でしたが、現在では331,552円と10年間で33.9%(約8.4万円)上昇しており、この間シングル向け全体の平均賃料は19.9%(約1.7万円)の上昇に留まっています。同様に、ファミリー向け高級賃貸物件の平均賃料も2015年には月額663,984円でしたが、現在は1,076,505円と100万円の大台を突破し10年間で62.1%(41.3万円)もの極めて高い上昇率を示しています。この間一般的なファミリー向け賃貸物件の賃料も43.1%上昇していますが、高級賃貸は20%程度上回っていますから、シングル・ファミリー問わず高級賃貸物件の賃料上昇は顕著です。
東京23区の高級賃貸の高額化および市場拡大の主な要因は、富裕層のセカンドハウス需要、インバウンドの短期間の居住ニーズ、分譲物件を超える水準の高級賃貸ニーズの顕在化、都心分譲タワーマンションの転貸=利回り物件としての活用拡大などが挙げられます。特にコロナ禍以降は、分譲マンションにも導入されていないような(ある意味実験的な)設備や仕様を実現し、賃料が高くても良質で個性的な暮らしができる居住空間が求められるようになったことが影響しています。
また、これらの物件では予め高級家具&家電などが設置されている“サブスク賃貸仕様”も多く、周辺環境を含めた居住満足度を考慮すればコスパ良好との評価を得ている物件が数多くあります。
さらに、高級賃貸物件では共用部も充実しており、高級家具で設えたコ・ワーキングスペースや最新のゲーミングPCとモニターが設置されたオンラインゲームスペース、最速のWi-Fi環境、BBQコーナー、天然温泉、居住者専用ラウンジなどが用意されていて、トータルで考えた時の賃料水準は(借りる人にとって)妥当と考えられるコスト感となっていることも高級賃貸人気を後押ししています。なお、高級賃貸物件は高い生活充実度を求める人が多い港区、渋谷区、新宿区ほか都心~城南・城西エリアに“偏在”していることも浮き彫りになっています。
調査概要
抽出期間:2019年~ 2025年(2025年は1月~6月までの物件を対象)
対象物件:LIFULL HOME’Sに掲載された東京23区内の賃貸物件
┗シングル向け:ワンルーム、1K、1DK、1LDK、2K
┗ファミリー向き:2DK、2LDK、3K、3DK、3LDK~
LIFULL HOME'S 不動産データソリューションについて
本リリースの内容は、LIFULL HOME'S 不動産データソリューションが保有する不動産データを元に分析・掲載しています。
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LIFULL HOME'S について(URL:https://www.homes.co.jp/)
LIFULL HOME'Sは、「叶えたい!が見えてくる。」をコンセプトに掲げる不動産・住宅情報サービスです。賃貸、一戸建て・マンションの購入、注文住宅から住まいの売却まで。物件や住まい探しに役立つ情報を、一人ひとりに寄り添い最適な形で提供することで、本当に叶えたい希望に気づき、新たな暮らしの可能性を広げるお手伝いをします。
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株式会社LIFULLについて (東証プライム:2120、URL:https://lifull.com/)
LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。現在はグループとして、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」、空き家の再生を軸とした「LIFULL 地方創生」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」など、この世界の一人ひとりの暮らし・人生が安心と喜びで満たされる社会の実現を目指し、さまざまな領域に事業拡大しています。
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