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2025.09.11

LIFULL senior リサーチ

9月21日の「認知症の日」に向けてLIFULL 介護が「親が認知症になった場合の不安と備えに関する意識調査」を実施

事業を通して社会課題解決に取り組む株式会社LIFULLのグループ会社である株式会社LIFULL senior(代表取締役:泉 雅人)が運営する業界最大級の老人ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL 介護」は、9月21日の「認知症の日」に向けて、認知症の家族の介護を経験したことがない方を対象に、親が認知症になった場合の備えや不安に関する意識調査を実施しました。

■調査背景

9月21日は「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」において定められた「認知症の日」です。認知症に対する理解を促進し、当事者が尊重され、共に生きる社会を目指すことを目的に制定されました。

老人ホームへの入居のきっかけとして多く挙げられるのが、認知症の発症です。LIFULL 介護には、お電話で老人ホームへの入居に関するご相談にお応えするサービス「LIFULL 介護入居相談室」があり、多くの当事者ご家族から入居のご相談を受けてきました。

ご家族が当事者になる前から、認知症そのものや、認知症をもつ人への支援制度の正しい知識があれば、当事者やそのご家族が納得いく判断ができる可能性が高まります。そこでLIFULL 介護では、まだ認知症のご家族の介護をされたことがない方を対象に「認知症介護」への不安について意識調査を行いました。

■調査サマリー

  • 親が認知症になった場合に不安なこと第1位は「治療や介護などの費用負担」。若年層は「介護と仕事の両立」を高齢層よりも不安視している

  • 「親が認知症になった場合」について親と話したことがない人は約7割。60代以上は「話し合ったことがある」と「話したくない」に分かれる

  • 親が認知症になった場合を想定して親と話し合ったことがあるトピック最多は「自宅で暮らすか、介護施設を利用するかなど住まいについて」

  • 親が認知症になり施設入居を検討することになった場合に不安なこと、最多は「介護施設に入居する金銭的余裕」

  • 認知症当事者へのサポートや支援制度、認知症介護未経験者の過半数は「知らない」

親が認知症になった場合に不安なこと第1位は「治療や介護などの費用負担」。若年層は「介護と仕事の両立」を高齢層よりも不安視している。

 

親が認知症になった場合に不安なことについて聞いたところ「治療や介護などの費用負担」(34.9%)が最も多い結果になりました。治療内容や必要な介護は人によって大きく差があり、一般的な相場がわかりづらいものです。経験がない方にとってはより不透明な部分が多く、不安に感じる人が多いようです。

次いで「親とのコミュニケーション」(29.5%)、「介護をすることで受ける心身へのストレス」(29.4%)という結果でした。一般的に「認知症になると何もわからなくなる」「認知症になると怒りっぽくなる」などの偏見は存在しており、その影響により「認知症の人とのコミュニケーションや介護は難しい」という見方が根強いことが垣間見えました。

「親が認知症になった場合に不安なこと」の世代間ギャップを見るために、60代以上と若年層(20~30代)を比較し、ギャップが大きかった項目トップ10を出してみました。最もギャップが大きかったのは「自分の仕事・生活と介護の両立」で、若年層が60代以上よりも不安視していることがわかりました。20〜30代は働く現役世代ということもあり、仕事と介護の両立をより不安視する傾向にあると言えそうです。他に若年層の方が不安視している項目として「介護をすることで受ける心身へのストレス」、「親とのコミュニケーション」などがありました。

逆に60代以上の方が回答率が高く若年層とのギャップが大きかった回答として「特にない」が挙げられ、若年層の方が様々な不安を抱えていることがわかりました。

「親が認知症になった場合」について親と話したことがない人は約7割。60代以上は「話し合ったことがある」と「話したくない」に分かれる

 

親が認知症になった場合のことを親と話し合ったことがあるかを聞いたところ、「話し合ったことがある」(7.5%)、「軽く話し合ったことがある」(19.3%)を合計し、26.8%とおよそ3割が話し合ったことがあると回答しており、話し合ったことがない人は7割にも上ることがわかりました。

前項の「親が認知症になった場合に不安なこと」という質問に、「特にない」と回答した人は15.8%と少数にとどまっていました。多くの人が不安を感じるにもかかわらず、親と「親が認知症になった場合」を想定して話し合うことは少ないようです。

 

親が認知症になった場合のことを、親と話し合ったことがあるかについて世代別に回答をみたところ、 「話し合ったことがある」、「軽く話し合ったことがある」と回答した人は40代から60代にかけて21.9%から32.4%と大きく増加します。しかし、「話したくない」という回答も40代から60代以上にかけて11.8%から19.4%と増加しています。一般的に年齢が上がるほど、親と認知症について話す必要性は高まりますが、60代以上においては話し合ったことがある人と、話すことに消極的な人に分かれるようです。

親が認知症になった場合を想定して親と話し合ったことがあるトピック最多は「自宅で暮らすか、介護施設を利用するかなど住まいについて」

 

親と、「親が認知症になった場合」について「話し合ったことがある」、「軽く話し合ったことがある」と回答した方にどんなトピックについて話し合ったことがあるか聞いたところ、およそ半数の方が「自宅で暮らすか、介護施設を利用するかなど住まいについて」と回答しており、認知症と住まいの場所の問題が結びついている方が多いことがわかります。

認知症は短期記憶が損なわれる、あるいは物事を順序立てて実行することが難しくなるなどの症状があるため、例えば火の始末を忘れてしまう、家事ができないなど、一人で自宅に住み続けることが難しくなる場合があります。しかし、実際は症状の現れ方や進行は様々で、サービスの活用や暮らしの工夫で一人暮らしを続けている方もいらっしゃいます。必ず介護施設に入居するというものではありません。ご家族が認知症になった場合、選択肢を広く持ち、ご本人の意思を尊重して住まいを選ぶことが重要です。もし入居する場合も、ご本人が納得して入居することが入居後のQOLの向上につながります。

親が認知症になり施設入居を検討することになった場合に不安なこと、最多は「介護施設に入居する金銭的余裕」

親が認知症になり、もしも施設入居を検討することになった場合に不安なことを聞いたところ、最も多かったのは「介護施設に入居できる金銭的余裕があるか」(37.1%)でした。介護の経験がない方にとってお金は最も不安なこととして挙げられるようです。

また、「受け入れてもらえる介護施設が見つかるか」(32.8%)も多くの回答を集めていました。老人ホームの入居相談でも、度々『認知症のために受け入れられる介護施設がないのではと思っていた』とご家族が介護施設探しに躊躇されていたケースがあります。しかし、実際は認知症の方を受け入れている介護施設は多く、LIFULL 介護に掲載している施設のうちおよそ9割は認知症の方のご相談が可能な施設です。(※)ただし、認知症の症状は百人いれば百通りの症状の現れ方があります。認知症の方の施設入居の際に重視したいのは、過去にその施設がどのような症状の方にどう対応してきたかです。もしも認知症の方の施設を検討することになった場合は、入居先に細かく対応方法を聞いてみると良いでしょう。

※2025年9月2日時点の掲載データから算出

認知症当事者へのサポートや支援制度、認知症介護未経験者の過半数は「知らない」

認知症当事者へのサポートや支援制度の名前を挙げ、どれだけ知っているか聞いてみたところ、全ての項目で「知らない」が過半数を超えることがわかりました。特に「本人ミーティング」、「認知症カフェ」、「認知症家族会」など、公的な制度ではないものの当事者やご家族同士で交流できる仕組みが、いずれも「知らない」が7割を超えており、知名度の低さが浮かび上がりました。

ご本人やご家族が人と交流することで自信や社会との接点を得られることは、病気と付き合っていく上で大きな利点があります。自治体の公式サイト等で案内されていることが多く、当事者になる前から、お近くにどのようなコミュニティがあるのかを調べてみると良いでしょう。

また「日常生活自立支援事業」は認知症などにより判断能力が不十分な人が地域で自立した生活ができるよう、福祉サービスの利用サポートや金銭管理の支援などを受けられるものです。認知症の方の安全な暮らし、住まいを考える上で利用できる重要なサービスのため、お住まいの地域の社会福祉協議会等で調べておくと良いでしょう。

LIFULL 介護編集長小菅秀樹のコメント

認知症と診断されても、必ずしも施設へ入居する必要はありません。症状の進み方や困りごとは人によって異なります。訪問介護やデイサービスを上手に使えば、在宅生活を続けられる方も少なくありません。大切なのは「本人が安心して過ごせる場所はどこか」を家族で考えること。そのうえで、将来を見据えて施設という選択肢も理解しておくと安心につながります。

施設を検討する際は、費用や立地だけでなく「①認知症ケアに慣れたスタッフがいるか」「②落ち着いて過ごせる環境か」「③医療との連携があるか」といった点を確認しましょう。また、必須ではないものの、協力医療機関に認知症を専門的に診られる医師が関わっていると安心です。薬の調整や症状への対応を専門的に判断してもらえるので、より心強く感じられます。

ただし、入居を強く拒む方も少なくありません。「家にいたい」という自然な気持ちを無理に否定すると、かえって不安が大きくなります。その場合はデイサービスやショートステイなどを活用し、自宅以外の雰囲気や生活環境に慣れていく方法もあります。さらに主治医やケアマネジャーなど第三者の言葉が後押しになることもあります。家族だけで抱え込まず、専門職と連携しながら「本人の安心」と「家族の負担軽減」の両立をめざすことが、住まい選びを進めるうえでの大切な視点といえるでしょう。

調査概要

調査期間:

スクリーニング調査 2025年8月25日〜27日

本調査 2025年8月28日〜29日

調査対象:認知症をもつご家族の介護に携わった経験がない20代から60代の男女882人

調査主体:株式会社LIFULL senior

調査手法:インターネット調査

株式会社LIFULL senior について

「老後の不安をゼロにする」をビジョンに掲げ、ヒトとテクノロジーの力で、超高齢社会の課題を解決するさまざまな事業を展開しています。主な事業として、老人ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL 介護」、遺品整理業者検索サービス「みんなの遺品整理」、介護施設向け買い物代行業務支援サービス「買い物コネクト」があり、今後も高齢者や関わる人々が抱える不安や課題に向き合って事業を拡大していきます。

株式会社LIFULL senior 概要

会社名:株式会社LIFULL senior(ライフル シニア)

所在地:東京都千代田区麹町1丁目4−4

代表取締役:泉 雅人

設立:2015年7月1日

事業内容:

老人ホーム検索サイト『LIFULL 介護』の運営

https://kaigo.homes.co.jp/

遺品整理業者検索サイト『みんなの遺品整理』の運営

https://m-ihinseiri.jp/

介護施設向け買い物代行支援サービス『買い物コネクト』の運営

https://lp.kaimonoc.jp/

自治体向け買い物弱者支援ツール『買い物コネクト』の運営

https://lp-g.kaimonoc.jp/

介護当事者一歩手前の世代に向け、介護や老後に関する最新情報や体験談を発信するウェブメディア『tayorini』(たよりに)の運営

https://kaigo.homes.co.jp/tayorini/

株式会社LIFULLについて (東証プライム:2120、URL:https://lifull.com/

LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。現在はグループとして、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」、空き家の再生を軸とした「LIFULL 地方創生」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」など、この世界の一人ひとりの暮らし・人生が安心と喜びで満たされる社会の実現を目指し、さまざまな領域に事業拡大しています。

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