2025.11.27
築年数が経過した物件にも「億の壁」が広がる、LIFULL HOME'S「築年数別 東京23区中古マンション」調査
事業を通して社会課題解決に取り組む、株式会社LIFULL(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:伊東祐司、東証プライム:2120)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」は、物件価格の高騰や新築マンション供給数の減少により、多くの不動産購入検討者が中古物件を視野に入れるなか、東京23区の中古マンション価格や掲載割合について築年数別で調査しました。

東京23区:築年数別 中古マンション価格(70㎡換算)
東京23区の中古マンション価格(70㎡換算)を築年数別に比較したところ、2025年(1-11月)の平均価格において、築25年未満まで「億超え」という結果になりました。新築マンション価格が高騰するなか、中古マンション価格も引き上げられており、築浅だけでなく、築年数が経過した物件にも「億の壁」が広がっています。

また、5年前(2020年)の平均価格と比較したところ各築年数で上昇がみられました。最も上昇したのは「10年以上~15年未満」の217.6%(+7,275万円)、続いて「15年以上~20年未満」の212.5%(+6,575万円)となり、2倍以上も価格が上昇しています。

東京23区:築5年未満 中古マンション掲載割合
築5年未満の中古マンション掲載割合を調査したところ、2021年から減少傾向にあることが分かりました。新築マンション供給数が減少するなか、市場に出てくる築浅マンションの数も減少しています。価格高騰も相まって、築浅マンションは手が届きづらい状況になりつつあります。

LIFULL HOME'S総研 副所長/チーフアナリスト
中山 登志朗(なかやま としあき)コメント
都内の住宅価格高騰は中古マンションにも波及、築25年未満は“中古億ション”
LIFULL HOME'Sに掲載された東京23区内の中古マンションについて2025年の価格動向(70㎡換算)を調査したところ、衝撃的な事実が明らかになりました。築浅の中古マンション(概ね築10年以内)の物件はもちろんのこと、築10年以上でも平均価格が約1.3億円、築15年以上で約1.25億円、築20年以上でも約1億円で売り出される状況です。築年数が25年以上になってようやく平均8,180万円と1億円以下になりますが、いずれの築年帯でも極めて高水準な価格で市場流通していることがわかります。
これは、東京23区内の新築マンション価格が平均で1億円を超える水準で3年以上分譲され続けていて、マンション購入希望者のニーズが少しでも安価に購入可能な(はずの)中古物件にシフトし、売り手市場となったことが主な要因です。また、都心では新築マンション購入後、短期間で売却し比較的大きな売却益を得る“転売ヤー”が存在していることも価格急騰の一因と言えます。なかには都心の高級物件で新築時坪単価1,200万円の住戸が竣工後1年を待たずに売却され、成約坪単価が3,000万円を超えた事例もあり、実は“新築分譲時よりも価格の高い築浅中古マンション”も決して少なくありません。
つまり、都心の新築および中古マンション市場では実需だけでなく、足元で投機(転売)目的での需要が拡大していることが価格急騰に拍車をかけているとも言えます。なお、国交省の調査によると都心での住宅購入に占める海外在住者の割合は3%に留まるとのことですが、円安が続く市況を反映して徐々に拡大することが想定されます。
また、2020年との比較では、築5年未満で175.9%(6,621万円)もの価格上昇を記録しており、築5~10年未満では192.1%(6,614万円)、築10~15年未満では最も高い上昇率で217.6%(7,275万円)、築15~20年未満でも212.5%(6,574万円)と、極めて高い上昇率を示しており、東京23区でマンションを購入するのは新築でも中古でも大変ハードルが高い状態です。
最近では、立地条件の良い築30年を超える“築古マンション”を買い取り、フル・リノベーションを施して販売するケースも増えてきており、リノベ物件も購入候補として幅広く検討しなければ、都内で住宅を購入することは現状極めて難しいと言わざるを得ません。2021年度から特例として適用され始めた、住宅ローン減税の対象となる住戸面積の40㎡緩和が2026年度の税制改正大綱によって恒久措置となる(中古物件も対象)可能性が高まっており、より狭い住戸、郊外方面の住戸、築年数の古い住戸が主に価格面から注目されることになりそうです。
LIFULL HOME'S総研 副所長/チーフアナリスト
中山 登志朗(なかやま としあき)
出版社を経て、 1998年から不動産調査会社にて不動産マーケット分析、知見提供業務を担当。不動産市況分析の専門家としてテレビ、新聞、雑誌、ウェブサイトなどメディアへのコメント提供、寄稿、出演を行うほか、年間多数の不動産市況セミナーで講演。2014年9月にLIFULL HOME'S総研副所長に就任。国土交通省、経済産業省、東京都などの審議会委員などを歴任。(一社)安心ストック住宅推進協会理事。
調査概要
集計対象:LIFULL HOME'Sに掲載された中古マンション(30㎡未満の物件を除く)
集計期間:2020年~2025年11月10日
LIFULL HOME'S 不動産データソリューションについて
本リリースの内容は、LIFULL HOME'S 不動産データソリューションが保有する不動産データを元に分析・掲載しています。LIFULL HOME'S 不動産データソリューションでは、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」で保有する大規模な不動産情報や外部データをご要望に沿って提供しています。不動産データの活用により、事業課題の解決や新たなビジネス機会の創出をサポートします。
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LIFULL HOME'S について(URL:https://www.homes.co.jp/)
LIFULL HOME'Sは、「叶えたい!が見えてくる。」をコンセプトに掲げる不動産・住宅情報サービスです。賃貸、一戸建て・マンションの購入、注文住宅から住まいの売却まで。物件や住まい探しに役立つ情報を、一人ひとりに寄り添い最適な形で提供することで、本当に叶えたい希望に気づき、新たな暮らしの可能性を広げるお手伝いをします。
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株式会社LIFULLについて (東証プライム:2120、URL:https://lifull.com/)
LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。現在はグループとして、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」、空き家の再生を軸とした「LIFULL 地方創生」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」など、この世界の一人ひとりの暮らし・人生が安心と喜びで満たされる社会の実現を目指し、さまざまな領域に事業拡大しています。
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