2024.10.29
LIFULL、生成AIの社内活用を推進し、 年間で約42,000時間の業務時間を創出
8割以上の従業員が生成AIを活用
顧客対応の効率化や膨大な量のデータ分析を実現
事業を通して社会課題解決に取り組む、株式会社LIFULL(ライフル)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:伊東祐司、東証プライム:2120、以下「LIFULL」)は、経済産業省が定めるDX認定事業者(※1)として自社内における生成AIの活用を2023年8月から推進しています。
この度、2023年10月~2024年3月の半年間の集計(※2)から更に活用が進行し、2023年10月~2024年9月の1年間において、LIFULL単体従業員の82%が生成AIを活用し、合計41,820時間の業務効率化を実現しました。
※1:LIFULL、経済産業省が定める「DX認定事業者」に認定
2024年3月1日(金)、経済産業大臣の認定の更新がなされました
※2:LIFULL、生成AIの社内活用により半年間で20,000時間以上の業務時間を創出
LIFULL社内における生成AIの活用調査結果について
<調査概要>
・対象:LIFULL単体従業員(正社員・契約社員)有効回答数 649名
・期間:2024年9月2日~9月9日
・形式:アンケート
<調査結果サマリー>
・82%に該当する532名が「生成AIを活用して業務効率化できている」と回答。(前回調査比10.2%増)
・LIFULL単体従業員(正社員・契約社員)649名の総勤務時間の3.2%に該当する41,820時間を、生成AIを社内で活用することにより新たな業務時間の創出ができた。
・創出できている時間は月間4時間未満が全体の43.3%と最も多いが、月間8時間以上創出出来ている従業員も全体の18.5%(前回調査比4.8%増)おり、全体の新たな業務時間創出を牽引している。
・また、従業員のうち66.4%にあたる431名は生成AIの活用によって「業務の質も向上した」と回答。(前回調査比13.7%増)
職種別生成AIの活用状況
職種別における生成AIを活用できている従業員構成比は、エンジニア及びデザイナー職において業務オペレーションに生成AIを組み込む等の効果により、ほぼ100%活用できている状況にあります。
その中で、一般的に活用障壁が高いと思われるバックオフィスや営業職においても、84.3%、74.9%と従業員が活用できており、全社的な活用取組みにおける浸透効果が現れています。
生成AIの活用シーン
活用シーンは前回調査と変わらず「文章・資料の作成/編集/添削」が最も多く、業務時間を創出できている従業員のおよそ6割にあたる326名が活用しています。また、「調査/検索/情報収集/情報の整理/データ分析」「アイデア出し/壁打ち/比較検討」についても活用率が高い状況が継続しています。
前回調査と比較しても活用シーンの分布にほぼ変化がなく、活用しやすいシーンが明確になってきています。
生成AI活用事例
1.オペレーター業務フローに生成AIを組み込み、半年間で1,680時間の業務効率化を実現。
●顧客対応フローの最適化:
生成AIを用いて多角的な分析を行い、顧客の優先度を判断する仕組みを構築。また、対応も小さいタスク単位で処理できるように最適化し、チームでの効率的な対応を実現。
●メール文面の自動生成:
お問い合わせ情報や過去の対応履歴を活用し、生成AIでパーソナライズされたメール文面を自動生成する仕組みを構築。生成に必要な情報を絞ることでハルシネーションを防ぎ、修正時間を短縮することに成功。
2.検索エンジンのユーザー意図の分析のため、10万件のキーワード分類を実施。
●検索エンジンのキーワード分析を実施:
LIFULL HOME'Sのサービスにおいて生成AIを用いた検索キーワードの分類を実施し、検索エンジンの最適化を実施。10万件という、従来では分析が難しい分量の分析が可能になりました。
業務時間を創出したことによる効果
生成AIの社内活用によって業務時間を創出したことで、目標達成に繋がるコア業務の比率が前年同期間比で2.9%~5.3%ほど向上しています。
取組みの背景と未来への展望
これまでもLIFULLは生産性向上に対する意識を高く持ち、業務に取り組んでまいりました。2022年3月に「DX認定事業者」の認定を取得(2024年3月に更新)し、事業領域におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を活用したビジネスモデルの方向性を示すと同時に、社内システムや社内オペレーションの領域においても、生成AIをはじめとしたデジタル技術による社会変化への対応を感度高く実行し続けています。
LIFULLがDX認定事業者として生成AIの活用を高めていくことは、本取組みのような自社内の業務時間創出に寄与するだけではなく、生成AI活用のノウハウを蓄積し、社外に対してのDX推進にも繋げることが可能です。
2024年5月に株式会社ツクルバとの「不動産DXパートナーシップ協定締結」を発表したように(※3)、過去の慣習からアナログな手法が根強く残っている不動産業界においても、LIFULL社内における生成AIの活用ノウハウを活かした新たなサービスの提供ができると考えています。
今回の取組み成果を自社内に止めず、不動産業界全体のDX化を推し進めていくノウハウの1つと捉え、引き続き先頭に立ってDX推進に取り組んでまいります。
※3:LIFULL、不動産業界のDX支援を推進するため ツクルバと不動産DXパートナーシップに関する基本協定を締結
株式会社LIFULL 生成AI活用プロジェクトリーダー 廣瀬智英のコメント
LIFULLでは、「全従業員が生成AIを使って自分の業務の効率化を自らできるようになること」をビジョンに掲げ、組織の垣根を超える形で横断的なプロジェクトチームを結成した上で、社内の活用促進をはかっています。
その結果、2023年10月~2024年3月の半年間で合計20,732時間、2024年9月までの1年間で41,820時間の業務効率化を達成しました。短期間でこれだけの成果を出すことができたのは、プロジェクトの立ち上げ当初にSlackでのチャットボット機能を導入し環境を整備した上で、研修や表彰制度によって全社の活用スキルと意欲を同時に高められていることが要因だと考えています。
今後は導入から定着のフェーズに入っていく中で、まだ活用できていない17.1%の従業員が生成AIを活用できるようにすることは勿論のこと、既に活用できている従業員においても、活用シーンを増やす等によって当たり前に使用している状態を目指していきたいと考えています。
株式会社LIFULL 執行役員CTO(Chief Technology Officer) 長沢翼のコメント
LIFULLでは、昨年5月に生成AI専門チームを立ち上げて以来、社内外における生成AIの活用を積極的に推進しています。今年7月には、生成AIを活用したプロダクト「AIホームズくんBETA」のLINE版の機能拡張も発表いたしました。(※4)
社内活用においては「表計算ソフトのように、すべての社員が日常業務で当たり前に生成AIを活用し、生産性向上を実現する環境を作ること」を目標に業務効率化にも注力した結果、年間40,000時間以上削減、という大きな成果を出すことができました。これは日本社会においても、非常に社内活用が進んでいる事例だと捉えています。
特筆すべきは、エンジニアなどの技術職だけでなく、営業職やバックオフィスにおいても生成AIを用いた業務効率化が進んでいる点です。この取り組みは、プロジェクトメンバーをはじめ、社員一人ひとりが楽しみながら生成AIを活用する挑戦の積み重ねの成果であり、大きな成果を上げられたことを非常に誇りに思います。
LIFULLは、「あらゆるLIFEを、FULLに」を実現するため、生成AIを活用した事業推進を今後も継続してまいります。これからも、社内外におけるAI活用をさらに加速させ、持続的な成長と社会への貢献を目指して取り組んでまいります。
株式会社LIFULLについて (東証プライム:2120、URL:https://lifull.com/)
LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。現在はグループとして約60の国と地域でサービスを提供しており、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」、空き家の再生を軸とした「LIFULL 地方創生」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」など、この世界の一人ひとりの暮らし・人生が安心と喜びで満たされる社会の実現を目指し、さまざまな領域に事業拡大しています。