2025.05.08
「金銭的理由」での不動産売却査定依頼が確実に増加
住宅ローン金利が上昇すればさらに加速?
LIFULL HOME'S不動産売却査定の依頼理由を調査
事業を通して社会課題解決に取り組む、株式会社LIFULL(ライフル)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:伊東祐司、東証プライム:2120)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」は、物件価格の高騰や高齢化で売却需要が高まるなか、売却査定依頼の「理由」について調査しました。
高齢化に伴う「実家じまい」や「住み替え」、「住宅価格の高騰」を背景に高まる“不動産売却”需要。売却査定依頼の理由にも変化が?
2025年は、国民の5人に1人が後期高齢者となる超高齢化社会を迎えます。一方で、住宅価格の高騰や円安を背景とした外国人投資家の参入などを背景に不動産売買は活況を呈しています。
そのような中、売却を検討する要因にも変化があるのかを調べ、LIFULL HOME'S総研チーフアナリスト・中山登志朗の解説とともに発表します。
【売却査定依頼の理由別分布】増加傾向にあるのは「相続」「所有者が高齢」「金銭的理由」
LIFULL HOME'S 不動産売却査定サービスの依頼を理由別にみたところ、増加傾向にある理由は「相続」(2019年:15.8%→2025年:23.1%)、「所有者が高齢」(2019年:10.4%→2025年:12.1%)といった高齢化を背景にしたものと共に、「金銭的理由」(2019年:8.3%→2025年:9.6%)となりました。
「金銭的理由」は2021年までは「離婚」や「買い替え(住み替え物件決定済み)」と同程度の割合となっていましたが、2022年以降徐々に割合を伸ばし、2025年には単独4位の売却理由となっています。
【売却査定依頼件数の推移】「金銭的理由」は24年では19年の4.3倍に増加、25年はさらなる増加が見込まれる
LIFULL HOME'S 不動産売却査定サービスにおける理由(TOP5)別の依頼件数推移をみました。「金銭的理由」の売却については、2021年はコロナ禍の影響で購入者減少の懸念から一時的に売り控えも発生しましたが、その後急激に増加し、2024年では2019年対比431%となりました。2025年の参考値(※)ではさらなる増加となっており、経済の先行きの不透明感が続くなか今後の動きが注目されます。
※2025年の参考値は1-3月(3か月間)の件数を4倍にして算出
LIFULL HOME'S総研 チーフアナリスト 中山登志朗(なかやまとしあき)による解説
住宅売却のきっかけは“ライフステージの変化”が依然多数を占めているが・・・
自分が購入した愛着ある住宅を売る決断をすることは、差し迫った事情があることが多いものです。これまで、その差し迫った事情とは、転勤・転職、親との同居、離婚などライフステージが大きく変わるタイミングでの決断が多いとされてきましたが、最近「金銭的理由」が徐々に&確実に増加していることが今回の調査で浮き彫りになりました。また、核家族化の進捗で「実家を相続して売却」=家じまいするケースも増えており、日本の社会や家族構成の変化がうかがわれる結果となっています。
最近、特に「金銭的理由」が増加している要因は、言うまでもなく住宅価格の高騰および住宅ローン金利の上昇にあります。背景には購入予定者の想定よりも高額の借り入れが可能との金融機関および保証会社の判定があり、生涯で何度も購入するものでもないことから限度額まで借り入れて購入するユーザーも少なくありません。実際に想定を超える住宅ローンを組んだ場合は、必然的に可処分所得が圧迫されることになり、予期せぬ出費が続くと家計が収入以上の支出を抱えることとなって“借金体質”に陥るケースが増えてしまうのです。
LIFULL HOME'Sが実施した「住宅ローンに関する意識調査」(※)でも、世帯年収の4倍を超える住宅ローンを組んだ割合が63.2%に達し、9倍以上のローンを組んだユーザーも3.7%いることから、厳しい返済計画で住宅ローン返済に臨む家計が少なくないことが明らかです。また、世帯月収に占める住宅ローン返済額が30%を超える家計では“もっと借入額を減らせばよかった”と回答した割合が28.3%に達しており、多額の住宅ローンを抱えた家計が経済的に厳しい状況に置かれる可能性も示されています。
住宅ローンの返済に関しては長期間に渡って返済を継続することが大前提ですから、余裕を持った返済計画に加えて適宜繰り上げ返済を利用して元本を確実に減らす姿勢が求められます。今後、住宅ローン金利が上昇することが懸念されていますから、実際に上昇し始めると変動金利で借り入れたユーザーの中から「金銭的理由」で売却査定を依頼するユーザーの割合が、更に増加することになります。今後、住宅ローンを組んで購入することを予定しているユーザーは、当初からボーナス併用返済をしないとか、余剰資金ができた際に積極的に繰り上げ返済に充てるなどの“金利上昇対策”を是非ご検討いただきたいと思います。
※住宅購入者と購入検討者に『住宅ローンに関する意識調査』 をLIFULL HOME'Sが実施
調査概要
集計対象:LIFULL HOME'S不動産売却に寄せられた依頼
集計期間:2019年1月~2025年3月
LIFULL HOME'S について(URL:https://www.homes.co.jp/)
LIFULL HOME'Sは、「叶えたい!が見えてくる。」をコンセプトに掲げる不動産・住宅情報サービスです。賃貸、一戸建て・マンションの購入、注文住宅から住まいの売却まで。物件や住まい探しに役立つ情報を、一人ひとりに寄り添い最適な形で提供することで、本当に叶えたい希望に気づき、新たな暮らしの可能性を広げるお手伝いをします。
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LIFULL HOME'S不動産売却査定サービスについて(URL:https://www.homes.co.jp/satei/)
「LIFULL HOME'S不動産売却査定サービス」は、「匿名」での売却査定、「実名」での売却査定の2つの方法から、不動産会社に所有物件の売却査定依頼が可能です。実名での売却査定では、まず不動産会社の特長や売却に関する担当者からのアドバイス等、豊富な情報の中から査定を依頼したい会社を選びます。その後、売主からも、不動産会社に物件写真やコメントで所有物件の詳しい情報を伝えることで、双方の信頼関係を築き、所有物件の売却を安心して任せられる不動産会社に出会うことができます。また、マンションの売却をご検討されている方は、マンション売却に特化した一括査定サービス(URL:https://lifullhomes-satei.jp/)の利用もご検討ください。
株式会社LIFULLについて (東証プライム:2120、URL:https://lifull.com/)
LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。現在はグループとして、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」、空き家の再生を軸とした「LIFULL 地方創生」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」など、この世界の一人ひとりの暮らし・人生が安心と喜びで満たされる社会の実現を目指し、さまざまな領域に事業拡大しています。
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