2024.01.24
郊外への需要が上昇? LIFULL HOME'Sが一都三県における中古マンションの エリア別価格上昇率ランキングを発表
東京は中央区が1位、青梅市や小平市など郊外エリアも上位に、
神奈川は三浦市、埼玉は桶川市、千葉は印西市と県庁所在地以外の地域がそれぞれ1位
事業を通して社会課題解決に取り組む、株式会社LIFULL(ライフル)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:伊東祐司、東証プライム:2120、以下「LIFULL」)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)」は、地図上で物件の参考価格が一覧できるサービス「LIFULL HOME'Sプライスマップ」のデータを活用し、一都三県のエリア別に中古マンションの価格上昇率ランキングを発表しました。
売却した場合に得られる利益が大きいエリアはどこなのか?
首都圏を中心に中古マンション市場の活況が続いている中、住み替えなどの理由で自身が所有するマンションの売却を検討している層にとっては、物件の価格が購入時と比較してどの程度上昇しているのかは大きな関心事だと考えられます。
中古マンションの価格上昇の背景には、長期的な住宅ローンの低金利、新築マンションの価格上昇の影響などがあると考えられます。高額な新築マンションの購入は難しいと考え、中古マンションを検討する層が増加したことを、低金利による「住宅ローンの借りやすさ」が後押ししている構図がうかがえます。
こうした状況をふまえ、LIFULL HOME'Sは、膨大な物件情報と独自開発した人工知能によって算出された物件の参考価格を地図上で一覧することができるサービス「LIFULL HOME'Sプライスマップ」のデータに基づき、直近5年間と1年間の中古マンション(築年10年・専有面積70㎡)の価格上昇率をそれぞれ算出。一都三県のエリア別の価格上昇率ランキングを作成しました。
本ランキングを通じて、価格が上昇傾向にある地域、売却した場合に得られる利益が大きい地域を明らかにし、住み替え時の資金計画などにお役立ていただければと考えています。
5年間の上昇率1位は中央区。青梅市、小平市など郊外エリアも上位に
東京都において、5年前と比較して、中古マンションの価格が最も上昇したエリアは中央区の29.7%、次いで青梅市の27.5%、小平市27.3%となりました。他にも多摩市、八王子市、日野市といった、いわゆる郊外エリアも上位にランクインしています。
不動産経済研究所(※)が2023年7月に発表した調査によると、東京23区内における2023年1〜6月の新築分譲マンションの平均価格は、約1億3千万と前年同期より6割高くなっていますが、東京都中心部の価格上昇に伴い、需要が郊外へと向かう様子が今回の調査からうかがえます。また、郊外の価格上昇には、コロナ禍に伴うリモートワークの浸透などによる人口移動も影響していると考えられます。職場への通勤のために都心の物件に注目していた人たちが、リモートワークが普及したことで、より郊外の物件も検討するようになったと推測されます。
※不動産経済研究所 首都圏新築分譲マンション市場動向2023年(上半期)
東京都のマンション価格相場
中央区のマンション売却相場推移
青梅市のマンション売却相場推移
小平市のマンション売却相場推移
神奈川、埼玉、千葉のいずれも県庁所在地以外のエリアが上位にランクイン
5年間の価格上昇率を、神奈川、埼玉、千葉の3県について見てみると、それぞれ三浦市(49.7%)、桶川市(41.0%)、印西市(48.8%)が1位となりました。いずれの県においても県庁所在地以外の市区が上位にランクインしており、東京都と同様に郊外への人の流れがあることがうかがえます。
ただし、すべての地域において、同じ郊外でも都心もしくは市街地中心部へのアクセスのしやすさなどによって価格変動率にバラツキがあることがわかります。
神奈川県のマンション価格相場
埼玉県のマンション価格相場
千葉県のマンション価格相場
三浦市のマンション売却相場推移
桶川市のマンション売却相場推移
印西市のマンション売却相場推移
本プレスリリースで紹介したランキングの10位以下と大阪府のランキングについては、「よくわかる!不動産売却」をご覧ください。
LIFULL HOME'S総研チーフアナリスト 中山登志朗 考察
LIFULL HOME'Sプライスマップは、全国から掲載された中古マンションの価格や賃料を統計処理して、現在売りに出ていない、もしくは貸し出されていない物件の現在想定価格・賃料までも地図上に表示し、物件の地域的な価格相場やグレードの違いによる値動きなどを追うことができる便利なサービスです。
この度、その膨大な価格情報のなかから首都圏(一都三県)中古マンションの価格情報を基に、都県ごとに行政区別の価格上昇率を算出したところ、大変興味深い結果が得られました。
もともと、中古マンションはストックとしての戸数が潤沢で特に首都圏全域に広く分布しており、築年数も40年超から築1年前後のものまで幅広いため、新築マンションとは異なって価格相場観が形成されやすく、また新築分譲時の売主のバイアスも希薄化することで築年数、専有面積、最寄駅からの所要時間、生活利便性などの各要因から合理性・整合性の高い価格を算定可能で、統計データとしても市場性を反映したものとして有用性があります。
これらの膨大なデータを解析した結果、東京都での市区別価格上昇率ランキング(5年比較)では、1位が中央区の29.7%となりましたが、2位には青梅市(27.5%)、3位小平市(27.3%)、4位多摩市(26.9%)、5位八王子市(26.6%)と東京市部の自治体が上位をほぼ独占しました。これは、①これら自治体での中古マンション価格が相対的に都心部の行政区よりも安価であること、②コロナ禍を経てテレワークが定着している東京都では郊外方面での住宅需要が旺盛なこと、③昨今の新築および中古マンションの価格上昇によって比較的安価な東京市部での中古マンション需要が顕在化していること、④住宅ローンの低金利が継続し借りて住むよりも買って住んだほうが生活費全般における居住コストを抑えられると考える人が多いこと、などが要因として挙げられます。
同様に、神奈川県でも横浜市、川崎市など中心エリアの自治体はほぼランキング上位に登場しておらず、1位の三浦市は5年間の価格上昇率が49.7%、2位の逗子市も48.3%と約1.5倍もの価格に上昇していますが、価格自体を確認すると購入を断念するほどの価格水準には達しておらず、昨今の都心周辺での価格上昇を背景として、郊外エリアで値ごろ感、割安感のある中古マンション購入を検討しているケースが増えていることが窺われます。
埼玉県1位の桶川市(41.0%)、千葉県1位の印西市(48.8%)も同様の傾向が示されており、物件価格が比較的安価な首都圏郊外エリアでの中古マンションにも、需要が強含んでいることを示す結果となりました。なお、直近1年間の価格上昇率を見てもほぼ同様の傾向が見て取れます。
LIFULL HOME'S不動産売却査定サービスについて (URL:https://www.homes.co.jp/satei/)
「LIFULL HOME'S不動産売却査定サービス」は、「匿名」での売却査定、「実名」での売却査定の2つの方法から、不動産会社に所有物件の売却査定依頼が可能です。実名での売却査定では、まず不動産会社の特長や売却に関する担当者からのアドバイス等、豊富な情報の中から査定を依頼したい会社を選びます。その後、売主からも、不動産会社に物件写真やコメントで所有物件の詳しい情報を伝えることで、双方の信頼関係を築き、所有物件の売却を安心して任せられる不動産会社に出会うことができます。また、マンションの売却をご検討されている方は、マンション売却に特化した一括査定サービスの利用もご検討ください。
LIFULL HOME'S について (URL:https://www.homes.co.jp/)
LIFULL HOME'Sは、「叶えたい!が見えてくる。」をコンセプトに掲げる不動産・住宅情報サービスです。賃貸、一戸建て・マンションの購入、注文住宅から住まいの売却まで。物件や住まい探しに役立つ情報を、一人ひとりに寄り添い最適な形で提供することで、本当に叶えたい希望に気づき、新たな暮らしの可能性を広げるお手伝いをします。
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株式会社LIFULLについて (東証プライム:2120、URL:https://lifull.com/)
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現在はグループとして世界63ヶ国でサービスを提供しており、主要サービスである不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」をはじめ、空き家の再生を軸とした「LIFULL 地方創生」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」など、この世界の一人ひとりの暮らし・人生が安心と喜びで満たされる社会の実現を目指し、さまざまな領域に事業拡大しています。
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※2024年2月8日差し替え